成分が同じ薬について
微妙に違う類似品。風邪薬や胃腸薬、目薬に多いですね |
A:なるほど。確かにそうですよね。
まず、前提として、一般用医薬品(OTC薬)でお話します。医科向け医薬品(入手に処方せんが必要な薬)で、同一成分のものは、ジェネリック医薬品の記事をご覧ください。
※ジェネリック医薬品の現状と今後(AllAbout記事)
成分が同じ薬やパッケージが同じような薬について、それぞれ考えられることも含めてご紹介します。
薬のパッケージが似ているワケ
薬以外にも食品やトイレタリー製品などで似たようなパッケージの商品を見たことがありませんか?これは、企業の販売戦略のような視点が理由になります。
薬の種類によって、例えば冷たいシップの薬は冷たさを感じさせる青パッケージが多かったり、逆に温シップは赤やオレンジというように色とイメージを工夫しています。
色だけではなく、ロゴや全体的な雰囲気が似ているのがありますね。このような商品は、売れている商品イメージに近くして、値段を工夫することで販促効果を狙っているようです。
薬の成分が似ているワケ
パッケージが似ている薬は、ほぼ成分が同じ、または内容量が違うという商品が多いと思います。どうして知名度の高い薬と同じような薬が、次々と出てくるのでしょうか? しかもそういう薬は、コマーシャルで宣伝している薬よりも安いですよね。
通常、薬を製造して販売するためには、治験といって人体への効果や影響を調べる試験(研究)が必要となるのですが、これには時間や費用がかかります。
しかし、一般用医薬品の中には、都道府県に届け出て審査を受ければ、時間やお金のかかる治験をしなくても販売できる場合があるため、市場があると判断したメーカーが参入して類似薬が多くなるのです。
詳しく説明しますと、一般用医薬品(OTC)の中には、都道府県知事や厚生労働大臣が承認している医薬品というのがあり、その承認基準に適合してつくられている薬であれば、申請して届け出をして承認を得れば販売できるものがあります。
例えば、薬効としては、かぜ薬や解熱鎮痛薬、のどの薬(鎮咳去痰薬)、鼻炎用の点鼻薬と内服薬、胃腸薬、下痢止め(止瀉薬)、目薬(眼科用薬)、ビタミン主薬製剤、浣腸薬などがあります。
ただ、この薬効であれば良いというわけではなく、厚生労働大臣が定めた基準に合っていることが条件になります。
この基準は、成分とその上限量、使い方(1日3回など)などが厳しく定められており、長期間使われていて、かつ安全性の認められている成分が主に対象になっています。
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