もうすぐ待ちにまったゴールデンウィーク。依然として続いている景気不振は払拭されないものの、テロの影響による海外旅行自粛は減ってきたようです。みなさんもお楽しみを計画中のことと思います。
もしあなたが血圧の薬などを毎日飲んでいるとしたら、海外旅行の時にはちょっと注意が必要です。今回は特に、海外旅行時に注意しておいたほうがいい、「薬について」のポイントをお伝えしてまいります。
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1日1回のむお薬を、いつも朝食後(日本時間)に飲んでいたとします。日本を夜に発つヨーロッパ行きの旅行で9時間フライトして現地入りしたとしたら、現地はもうお昼に近い時間になっているはずです。ここで現地の時間に合わせて、次の朝を待って薬を服用したら、最後にお薬を飲んだのから計算して72時間の遅れになってしまいます。つまり、思わぬところでお薬のスケジュールが乱れてしまう事になるのです。
お薬をのむ時間というのは、症状に合わせていたり、忘れないタイミングを考慮したり、体に取り込まれる時間を考えて決められています。そして慢性的にのんでいるお薬というものは時差などの外的要因に関係なく、決まった時間間隔で薬が体に使われるようになっているはずです。
お薬の服用が厳密に管理されている患者さんの場合には、お薬を飲む時間を日本時間に合わせて服用しなければならないかもしれません。朝食後という事に執着していては、継続的な薬の症状コントロールに影響してしまう事も考えられるのです。
高血圧の他にも、喘息や糖尿病、てんかん、循環器系の病を患っている方、経口避妊薬をお使いの方など毎日継続してお薬を飲んでいる方なども旅行中にのむ時間について考えてみてください。
そしてお薬は1日1回のむだけのお薬ばかりではありません。場合によっては複雑なのみ方をする必要があるかもしれません。ご旅行の準備のひとつとして医師と海外旅行中の服用スケジュールについて確認をしておいてください。2週間おきに受診されている方が多いと思いますが、もしまだ間にあえば今度の受診の際に医師と相談しておく事をおすすめします。
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もう一つ、あまり歓迎される事ではありませんが旅行中にもしも何かあってお薬を飲まなければならないことがあるかもしれません。そんな時にはいつも使っているお薬による影響を考慮する必要があります。
海外の医療機関にいつものお薬がなんであるのか伝える事が出来るように、医薬品の一般名を英語表記しておいてもらってください。これはかかりつけの薬局にいる薬剤師にお願いすればいつものお薬の説明文やお薬手帳などに追加して記入してもらえる事でしょう。もし可能なら何に使われている薬なのかも記載してもらえるとより良いでしょう。
せっかくの楽しい旅行です。思わぬ体調の変化などなく無事に過ごしたいものです。考えられる所はしっかり準備して楽しい時間をお過ごしください。
では皆さん、Bon Voyage!