スポーツ競技は、自分に対する厳しい鍛錬と管理、それに少しの偶然がからみあって勝者が決まります。そしていったん競技が終わると、勝者に対しては皆がその栄誉を称えます。惜しくも敗れた人も同じ気持ちで称えている姿は私達にスポーツ観戦の楽しみを与えてくれます。もうすぐ冬の祭典である冬季五輪がアメリカのソルトレークシティで開催されます。

ドーピングはこうした楽しみを半減させてしまう様に時々話題にあがります。
今回は何となく判っているドーピングを改めて見てみましょう。

まずはドーピングってなに?
スポーツ競技などにおいて、能力を引き出す目的で薬物などを不正使用する事です。語源は、アフリカ東南部の原住民カフィール族が祭礼や戦いの際に飲む強いお酒“dop”から発展して「興奮性飲料」の意味に転化してきたものです。もともとは競走馬に使われたものでしたが、今ではスポーツ競技で注目されています。

どんな種類があるの?
単に種類だけというのであれば以下の5種類に分類されます。

興奮性の働きがあるもの
一時的に瞬発力などの反射能力を高める為に使用

筋肉増強作用のあるもの
薬物を利用した筋肉などの形成で基本能力を高める為に使用

麻薬性鎮痛剤
気分をリラックスさせたり、時には興奮性に作用したりする目的で使用

利尿剤
禁止薬物の排泄を促して検査に引っかからないようにする為に使用

交感神経興奮薬薬(喘息治療薬など)
緊張性神経である交感神経を興奮させて能力を高めようとする目的で使用

なにに注意するの?
カフェインなどは興奮性の薬物として禁止されていますが、お茶やコーヒーに含まれる量では大丈夫です。だからといってフリーに飲んでもいいというのではなく、競技1週間前からは口にする全てのものに注意する必要があります。
これらは選手自身が注意するのですが、禁止薬物であってもきちんとした使用目的があれば使う事が出来るケースもあるようです。

最近はどうよ?
冬季五輪は前回大会の長野五輪の時にスノーボード選手のマリファナ使用があったのですが、その前の2回、リレハンメルとアレベールビルでは摘発がありませんでした。今回のソルトレークシティでもドーピングがない事を望んでいますが、ドーピングをめぐる話題はますます巧妙になりつつあります。

最新トピック
検査に引っかからないドーピングってどうしたらいいのでしょう。薬物は体に取りこまれると血液にのって全身をめぐり、肝臓で分解され尿になって排泄されていくのは以前にもお話ししたとおりです。薬物は本来、体には存在しない化学物質です。そして多くの薬物は体でどのように分解されて体から出て行くかは解明されています。従って化学物質そのもの、あるいは分解を受けた物質が存在するかどうかを調べてドーピングがあったのかどうか判定します。

次のページでは検査技術とドーピング隠蔽技術の最新技術を巡る戦いについて考えてみましょう。