検査ができない? 急な増加で試薬が不足
特徴的な皮疹が見られないうちに麻疹(はしか)を早期診断することは困難です |
ただ、抗体価測定に関してはEIA法・NT法・PA法など、血液検査の中でも種類があるともご説明しましたように、全ての検査ができないというわけではなく、また、より正確に結果を反映するとされるEIA法については、従来かかっていた日数より更に時間を要するものの、検査を行うことは現在も可能です。
母子手帳の確認を!
50代からの皆さんにこそ、お願いしたいことがあります。それはお子さんやお孫さんの母子手帳を確認していただきたいということです。麻疹抗体価測定を希望して医療機関を受診される方が急増していますが、この中には、今までに麻疹にかかったことがあるかどうかを知らない(わからない)、両親にも確認していない、という若年者の方も多くいらっしゃるのです。麻疹ワクチンを1回接種しただけでは抗体価が低いことがある、という問題もあります。しかし、自然感染して治癒した例については、もともと終生免疫と呼ばれているように、ワクチンに比べても抵抗力は強くなっていると考えられます。もし自然感染したということを確認することができたならば、慌てて検査を行う必要はありませんから、母子手帳を確認して、お子さんやお孫さんに伝えてあげてください。
麻疹ワクチンについては、不足するのではないかという声もありましたが、現在のところ入手可能です。特に小児科開業医の先生方のところでは、流行を予測してストックされていることもあります(なお、麻疹・風疹の混合ワクチンであれば、更に容易に入手できます)。ワクチンは発症してからでは効果がなく、麻疹ウイルスとの接触から3日以内に接種して初めて有効性が期待できます。麻疹ウイルスに感染していた場合、それ以上過ぎてからの効果はあまり期待できませんので、この点にもご注意ください。
【関連リンク】
・麻疹ウイルス抗体価とその結果別の対処法です
⇒ はしか大流行! あなたは大丈夫?(All About 50代からの健康法)