進行すれば命取り! 早期発見がポイント
赤の点線は胸水です。慢性的な呼吸困難感のため、自覚症状は乏しいこともあります。青い矢印は胸膜プラークの所見です |
特に、アスベストを扱ったことがある人とそのご家族は要注意ですが、問診の上ではアスベストを扱ったことがないという方に悪性胸膜中皮腫が見つかった例もあります。
家庭でのチェックポイント
実際のアスベスト肺の診断は非常に難しいものですが、家庭でも確認できる3つの簡単なチェックポイントがあります。- 背中、特に下側でバリバリという呼吸音がある
- 指先が太鼓のバチのように丸みを帯びている(ばち指)
- タバコを吸わないのに咳や痰、息切れが続く
この乾性ラ音は肺の上方よりも下方で強いのが特徴ですので、上下を比べてみるとわかりやすくなります。いずれの所見も他の病気でも見られることはありますが、家族も含めてアスベスト産業に従事したことがある、もしくは近辺に住んでいたことがあり、かつ3つとも揃っているようであれば疑いは強くなります。また、胸水が貯留してきた場合には、こうした呼吸音は小さくなります。
次のページでは年齢別にアスベストの健康障害のポイントをご紹介します。