癌(がん)/がんの初期症状・早期発見

肺がんや大腸がん、癌の初期症状(2ページ目)

がんの治療は、早期発見、早期治療が原則です。健康診断も大切ですが、何らかの症状が続くときには、早めに医師に相談することが大切です。気をつけておきたいがんの初期症状についてご説明します。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

なぜ、血が混じるのか?

血痰、血便のメカニズム
血痰や血便が観察されるメカニズムは、意外に簡単です
がんによって痰や便に血が混じるメカニズムは、意外に簡単です。

がんは大きくなるために他の細胞よりも多くの酸素や栄養素を必要としますが、そのために自分自身で血管を作ります。これを新生血管と呼びますが、新生血管は普通の血管に比べてもろいのが特徴です。

つまり、気管や大腸にがんができたとして、その表面を痰や便がなぞるように通過していくと、その刺激だけで新生血管は破れて出血してしまいます。これが、痰や便に血が混じる、すなわち、血痰や血便のメカニズムです。


不可解な体重減少にも要注意

体重減少にも要注意
ダイエットをしているわけでも、運動を始めたわけでもないのに痩せていく、というときにも要注意です
現代人の多くは、ついつい体重が増えてしまう生活習慣を持ってしまいがちです。腹八分目の厳守や、定期的な運動習慣の組み入れなど、いろいろな取り組みを行うことによって体重が減っていくのはよいことです。

しかし、別にそういったことは何もしていないのに体重がどんどん減っていくときには要注意です。

もちろん、ストレスによる食欲不振で食事が進まなかったり、甲状腺機能亢進症による基礎代謝量の増加など、がん以外が原因になっていることはありますが、がんにおいても、がん細胞が異常なスピードで栄養分を吸収し細胞がどんどんと増殖していく際には、2ヶ月で10kg減といったような極端な体重減少が起こります。

繰り返しになりますが、血痰や血便、急速な体重減少などの症状は、決してがん特有の症状ではありません。むしろ、がん以外の疾患が原因で見られる場合もありますのであまり心配しすぎる必要はありません。

しかし、早期発見、早期治療ががん治療の基本となりますので、念のためにというお気持ちで、お近くの医師の診察をお受けになることをおすすめします。


【関連リンク】
便は健康のバロメーターですが、がんの早期発見にも便の観察は有効です。
 ⇒毎朝チェック!トイレをすぐに流さないで!(All About がん・がん予防)

がん検診だけが、がんの早期発見の手段ではありません。
 ⇒自分で発見できる数少ないがんとは?(All About がん・がん予防)


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