なぜ、血が混じるのか?
血痰や血便が観察されるメカニズムは、意外に簡単です |
がんは大きくなるために他の細胞よりも多くの酸素や栄養素を必要としますが、そのために自分自身で血管を作ります。これを新生血管と呼びますが、新生血管は普通の血管に比べてもろいのが特徴です。
つまり、気管や大腸にがんができたとして、その表面を痰や便がなぞるように通過していくと、その刺激だけで新生血管は破れて出血してしまいます。これが、痰や便に血が混じる、すなわち、血痰や血便のメカニズムです。
不可解な体重減少にも要注意
ダイエットをしているわけでも、運動を始めたわけでもないのに痩せていく、というときにも要注意です |
しかし、別にそういったことは何もしていないのに体重がどんどん減っていくときには要注意です。
もちろん、ストレスによる食欲不振で食事が進まなかったり、甲状腺機能亢進症による基礎代謝量の増加など、がん以外が原因になっていることはありますが、がんにおいても、がん細胞が異常なスピードで栄養分を吸収し細胞がどんどんと増殖していく際には、2ヶ月で10kg減といったような極端な体重減少が起こります。
繰り返しになりますが、血痰や血便、急速な体重減少などの症状は、決してがん特有の症状ではありません。むしろ、がん以外の疾患が原因で見られる場合もありますのであまり心配しすぎる必要はありません。
しかし、早期発見、早期治療ががん治療の基本となりますので、念のためにというお気持ちで、お近くの医師の診察をお受けになることをおすすめします。
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