細胞が分をわきまえないと……
細胞は常に新陳代謝を繰り返していますが、分をわきまえずに増えていくのが、悪性の細胞が持つ性質です。 |
しかし、悪性の細胞は、このもともとの領域を「分をわきまえずに」あっさりと乗り越えていきます。
胃がんで言えば、胃の粘膜に発生したがん細胞は、粘膜を超えてどんどん深くまで浸潤していきますが、その過程でリンパ管や血管の壁にも、「分をわきまえずに」浸潤していきます。
リンパ管や血管の内面にがん細胞が到達すると、そこで、リンパ液や血液の流れに乗って、全身に流れていきます。そして、流れ着いたところで、再び血管の壁を乗り越えて浸潤し、胃とは全く異なる臓器に転移してしまいます。
やはり大切な早期発見と早期治療
がんの転移のメカニズムがわかれば、早期発見と早期治療の重要性がわかってきます。 |
このようにならないためには、がんが血管壁に浸潤する前に、摘出してしまうことが必要になります。がんの治療について早期発見と早期治療が大切であるということは、このような転移・再発のメカニズムを知ることで、より深く理解できるようになると思います。
何らかの体の不調を感じられている場合はもちろんですが、特に症状がない場合にも、40代に入れば、年に1回の定期健康診断を受けて、早期発見できるような体制を作られることをおすすめします。
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