「緩和ケア」にまつわる誤解
最近、少し目にすることが多くなってきた「緩和ケア」。ただ、「緩和ケア」にまつわる誤解があることをご存知でしょうか? |
しかしながら、この「緩和ケア」の内容については、色々と誤解も多いようです。
今回は、がんの治療には欠かせない「緩和ケア」について、お話したいと思います。
誤解その1 緩和ケアは最後の治療である
緩和ケアというのは、体の痛みや苦しみを和らげるための治療やケアのことですが、その適応のタイミングについては、まだまだ誤解されている方が多いようです。 |
緩和ケアというのは、まさしくそういった症状を緩め、患者さんの体も心も和ませるために行われるものです。
今まで、こういった緩和ケアというのは、もうなすべき治療がない方に対して、最後に行われる治療だ、という考え方が根強くありました。患者さんはもちろんのこと、医師にとっても同様だったと言っても過言ではありません。
しかし、今は違います。体の痛みやつらさ、原疾患や合併症に伴う様々な症状については、がんに対する治療がどのような段階であっても、速やかに行うべきものだというように、認識が大きく変わりました。
患者さんの治療の進め方と、患者さんを苦しめている症状を取るために緩和ケアを行うと言うことは、別のベクトルで考えようというのが今の基本的な考え方と言えるでしょう。
次のページでは、麻薬に関する誤解についてもご説明します。