リンパ球が消去し忘れたがん細胞が、「がん」へ
完全に消去されるべき細胞のミスコピー。しかし、「消去し忘れ」があったときに、がんができてしまいます |
しかし、1個でもがん細胞が残ってしまうと、どうなるでしょうか。がん細胞は、2個、4個、8個、16個と、倍々に分裂していきます。それが、細胞の数が10億個、直径が1cm、重さが1gになると、レントゲンやCT、内視鏡検査などの画像検査で発見されるようになります。そこで初めて、「がん」という病名が告げられるのです。
なぜ、がん細胞が残ってしまうのでしょうか?
がんの始まりは、消去しきれなかった一つのミスコピーの細胞です。では、消去し忘れの原因は何でしょうか |
それは、以下の2つしかありません。
1.ミスコピーがたくさんできすぎてしまう
2.シュレッダーの性能が落ちてしまう
「○○は、発がん性がある」と言われることがありますが、これは、ミスコピーをたくさん作りすぎてしまう、という意味で使われる事が多いです。また、がん遺伝子・がん抑制遺伝子なども、結局は、このミスコピーの細胞を作ってしまう、作らないように働きかけるということにつながります。一方、「免疫力が下がると、がんになる」と言われているのは、シュレッダーの性能が落ちていることを指しているケースがほとんどです。
こうやって考えてみると、がんができる仕組みも、かなり分かりやすくなるのではないでしょうか。これらをざっと理解しておくと、がんの治療や予防が、もっとよくわかってくると思います。まずは、大まかな流れを把握して、がんについての理解を深めていきましょう。
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