医師の目標は何? 実は2段階ある治療目標
医師が目指すがんの治療目標には、段階があります。その第一段階を知っておきましょう |
それは、「まずは社会生活に適応させること」です。こう書くと難しそうですが、要するに病気にかかる前の生活に、まずは形だけでも戻すことが、第一段階の目標です。生活習慣病、アレルギー疾患、精神疾患など、いずれも、ひどくなると社会生活を送ることが困難になってしまいます。がんについても同じですね。
「がん」と分かったことで、それまでの生活リズムは大きく崩れてしまうでしょう。それを、表面上だけでもまずは元に戻していくことを、第一段階の目標としているのです。
まずは、5合目まで登るつもりでがんばってみませんか
いきなり頂上を目指すと息切れしてしまうことが多いのです。まずは、5合目を目指してみませんか |
がんの治療における5合目とは、まず、手術の前の生活に少しでも近づいていくことです。治療が一段落を迎えて退院することは、その大きな節目でしょうし、部分的でも仕事に復帰することや、中断していた趣味を再開することも非常に大切なことです。そして、そのことを医師は、第一段階の目標として考えているのです。
通常、がんと体とが完全に離れたことを確認するには、5年間を要します。この間に、ずっと、「まだ、治らない」というマイナスのイメージを持ち続けることは、治療経過にも悪い影響を及ぼしかねません。
「ドーナツの穴ばかり見つめてはいけない」という言葉があるそうです。穴の周りにも、しっかりと目を配ってみて下さい。日常のちょっとした変化、進歩を喜びながら、着実に前進していくことが、がんを含めた慢性疾患の治療のコツです。もちろん、頂上にアタックすることをしっかりと胸に秘めながら。
自分は今、何合目にいるのだろう、と振り返って見ると、意外に高いところまで登ってきていることも多いものですよ。
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