慢性疾患である「がん」の治療は、長期戦になります

がんは慢性疾患
なかなか「完治」と言えないがん。気長な治療が必要です
病気には、急性的なものと慢性的なものがあります。急性のものは、風邪や下痢、虫垂炎や肺炎などのように細菌やウイルスの感染によって起こるものや、打撲や熱傷、骨折などのように外的な要因で起こる病気です。

急性の病気の場合、症状にピークがあって、場合によっては手術などが必要ですが、普通は、次第に症状が軽くなり、最終的には投薬も通院もいらなくなります。

一方、慢性疾患的なものは、少しやっかいです。糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、うつ病やパニック症候群などの精神疾患などもこちらですね。多少の波はあっても、大きなピークは無いことが多いのですが、通常は年単位の通院・投薬治療が必要になります。

では、がんは、どちらに入るのでしょう。手術を行うことが多く、症状にはピークがありますが、慢性疾患に分類されるのです。


焦りは禁物! がんの一番の特徴を理解しよう

慢性疾患の特徴
がんをすぐに体から切り離してしまうことは、難しいと言わざるを得ません
「あなたは、がんですよ」と言われると、一刻も早く、手術や抗がん剤治療、放射線療法などあらゆる事を行って、自分の体から追い出してしまいたい、縁を切ってしまいたいと思うのが普通です。しかし、がんの場合、転移・再発ということがあるので、手術が終わって、「はい、おしまい」ということにはなりません。この歯がゆさや気持ち悪さを感じている方が多いのではないでしょうか。

そして、その理由は、患者さんと私たち医師の治療目標にギャップが存在していることにあると言えます。

次のページでは、がんの場合、医師が何を治療目標にしているのかご説明しましょう。