牛肉や乳製品の高脂肪が肥満をもたらして、その結果2型糖尿病のリスクを高めるであろうことは容易に想像できますが、今回の研究のユニークなところは真犯人は別にいることを指摘したことです。
バターなどに含まれる動物性の飽和脂肪酸は血中コレステロールを上げるので近年どうも評判の悪いものですが、その飽和脂肪酸ですら2型糖尿病のリスクを高めないようです。
それではアメリカンスタイルの食生活の悪玉は何でしょうか?
栄養学の専門家は『トランス型不飽和脂肪酸』が犯人ではないかと考えています。
トランス型不飽和脂肪酸とは、液状の植物オイルに水素添加して、マーガリンのようなものを作る時に生じる不飽和脂肪酸の形状です。牛の胃や腸にいるバクテリアがこのトランス型を作るので、牛肉や牛乳にも存在しますが、自然界にはそれ程あるものではありません。
フレンチフライポテトを普通の植物オイルで揚げると、いつまでもベタベタしていて、揚げ油も保ちません。トランス型に加工するとオイルが酸化されにくくなって、ポテトもサラサラしています。パンやドーナッツ、ケーキにもよく使われます。ビジネスには好都合なのですが、からだには不都合があるようです。そのメカニズムはよく解明されていませんが、疫学的には『悪玉』です。特にハーバード大学の栄養学の人たちがやり玉に挙げています。
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