4月から40歳以上の健保組合加入者に対し、メタボ予防の特定検診、特定保健指導が始まります。そこで、カロリーオーバーで責められるであろう(?)友に、やさしい方法をアドバイスいたします。
そもそも「カロリー」とは?
私たちが食物のエネルギーを表わすときは、国際単位系のジュールではなくカロリーを使うのが普通です。食物の場合は一口食べても大きな熱量なのでキロカロリー(kcal)を使います。ただ慣例的に単にカロリーと言うこともあります。厳密な意味では1カロリー(cal)とは1ml(1g)の水を1気圧の下で1℃(14.5℃から15.5℃へ)上げる熱量ですから、カロリーとキロカロリーとでは1,000倍も違うのですが、こと食べ物に関してはキロカロリーが前提ですから、単にカロリーと言っても間違いではありません。
ここでも"カロリー計算"のように熱量の意味では普通名詞の「カロリー」を使いますが、食物のエネルギー単位としてはkcalで表記します。
カロリー重視で食事の楽しみを失っていませんか?
メタボの特定検診、特定保健指導のために年間700億円もつぎ込むそうですが、もっと切実な糖尿病患者でも十分な診察・対話ができず、結果の出せない医師が、どうやって40代、50代という人生のベテランの生活指導をするのか興味があります。机上のカロリー計算はすこぶる簡単ですから、BMI 22(理想体重)としてのカロリー摂取量をプリントアウトして指示されることは大いにありそうです。どんな減量指導も、前が前ですから初年度は減量効果は出るものです。しかし3年位で元に戻るのがお定まりですからその間にいい食習慣を身に付けたいものです。かなり創意工夫が必要ですよ。
私は固定した生活態度が嫌いですから全て自分の判断で行動します。守るように努めているのは極めて常識的な事柄だけです。カロリー計算はしたことがありません。
カロリー計算には食べた物を積算する方法と、食品交換表を使って何を何単位(80kcal)取るように指示して、むずかしく考えずにカロリー制限と栄養素のバランスをとる方法があります。結局は自分のやりやすい方法を編み出さなければなりません。私はなによりも炭水化物の「量」と「質」に注意してます。炭水化物が血糖の源だからです。食事の炭水化物源は穀類、野菜、果物、乳製品、スイーツです。これらの量と頻度に気配りしながら、なるべく低カロリーになるように努めます。
アメリカの心臓協会(AHA)が食事ガイドラインの中で食品の「常識的な選択」を強調しているのは当然なことです。カロリーの数値や脂肪分のカロリー比にあまり気を使うと食事の楽しみを失ってしまいます。
ダイエットは人によってローファット食がポイントになることもあるでしょうし、低炭水化物食の方が向く人もいるでしょう。でも、注意することが何であれ、一番大切なことは規則的な食事計画を出来るだけ守ることなのです。逆の言い方をすれば食事の内容、食事時間、回数が順守できるものでなくてはダイエットの成功が維持できません。
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