糖尿病/糖尿病と嗜好品・外食

赤ワインは糖尿病にもご利益!

日本では糖尿病者は原則的にアルコールが禁止ですが、欧米では適量ならOKです。糖尿病にも赤ワインが有効との研究がイタリアで発表されました。食事の時のグラス1杯がお勧めです。

執筆者:河合 勝幸

スペインの刑務所では食事の時にワインが付くと聞いたので、早速どんなワインを飲んでいるのかバルセローナ市内のサンツ刑務所へ取材に行ったことがあります。ところが何処も同じく官僚主義がはびこっていて、あっちこっちの役所へたらい回しにされた挙句に音さたがなくなりました。分かったことは刑の軽重や対象によって待遇が違うということでした。『ワインつき』もありそうです。

さて、ワインの生産量世界一のイタリアで、2型糖尿病者にも赤ワインが『よろしい』という研究がありました。
食事の時の適量(後述)の赤ワインは、血しょう中の抗酸化物を増やして『悪玉』コレステロールの酸化を防ぎ、血栓の生成を抑制するというありがたい結論です。

以前から糖尿病のある人は、食事が酸化ストレスを加えて血液が凝固しやすくなることが知られていました。
ヴェネチアから北東へ100キロメートル位のところにウディーネという都市があります。そこのウディーネ大学の研究者が糖尿病者にワインつきの食事とワインなしの食事、あるいは空腹時のカラ飲みの赤ワインの効果を測定しました。

血糖値やインスリン濃度は勿論のこと、中性脂肪や抗酸化能力、血液の固まりやすさ、LDLコレステロールの酸化など、いろいろ分析したところ、やはり食事の時の赤ワインは糖尿病者にも大いに有効であることが分かりました。

空腹時に赤ワインだけを飲んだ時は、血しょう中の抗酸化力は直ちに上昇しますが、血栓防止やLDLコレステロールの酸化防止にはそれ程明らかな作用はありませんでした。

食事の時の適量の赤ワインは、心臓や脳などの血管の病気予防にはご利益があるというのが研究者の結論です。
この赤ワインの『適量』というのが日本人にとって分かりにくいところですが、文字通りのワイングラス1~2杯と思って間違いありません。
輸入ワインはとてもアルコール度数が高いものが普通ですが、ヨーロッパの家庭で飲む並酒は10度ぐらいの程度ですから本当に弱いワインです。適量とは常識的に言えば酔うほどの量ではないことです。
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