シナモン(肉桂)はスパイスであり、生薬でもあります。糖尿病にいいとはかねてから言われていましたが、いよいよアメリカ糖尿病協会の学術誌に載りました。
[Diabetes Care 2003,12月号]
以前からシナモンが糖尿病者の血糖やコレステロール、血中脂質を下げると発表していたドクター リチャード・A・アンダーソン(Beltsville Human Nutrition Research. メリーランド)が、糖尿病ケアの一流誌に新たな論文を発表しました。
1日わずか1g(小スプーン1/4)のシナモンを40日間摂取しただけで、糖尿病者の血糖、血中脂質が改善したというものです。
これは2型糖尿病での研究で、2型というのはインスリン(ホルモン)がうまく作用しない、あるいはインスリンの分泌能力が低下した状態で、エネルギー源として大切なブドウ糖(炭水化物)が筋肉や脂肪細胞に取り入れにくくなる病気です。そのため、活力が落ちたり、血中にあふれたブドウ糖が血管や臓器を傷害していろいろな合併症を引き起こします。
ドクター アンダーソンによると、シナモンを摂り過ぎると害があるかも知れないので、1日1gで十分だということです。
小スプーン1/4のシナモンはトーストにふりかければ、おなじみのシナモントーストができますし、コーヒーやフルーツジュース、朝食シリアルにかければより美味になるというものです。
実験では60人の2型糖尿病者に1日あたり、1g、3gあるいは6gのカプセル入りのシナモンと、ニセ薬としての小麦粉カプセルを見分けがつかないようにして40日間摂取してもらいました。その結果として、シナモン組は量に関係なく血糖値、コレステロール値、中性脂肪値が30%以上も低下したのだそうです。
そのしくみは不明ですが、ドクター アンダーソンによるとシナモンにはインスリン分泌を増大させて、より効率よくからだの細胞にブドウ糖を取り込ませる未知の『物質』があるのだろうとのことです。
シナモン1gで3kcalしかありませんからカロリーの問題は全くありません。
以前の研究ではシナモンが脂肪細胞に作用してブドウ糖の取り込みを高めることが分かっていたそうです。動物実験やイン・ビトロ(試験管の実験)ではシナモンが糖代謝を20倍も高めたとも同博士は説明します。
シナモントーストはとてもおいしいですよ。
食べ過ぎにご注意を。
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