たしかにコーヒーの愛好者は疫学的にも2型糖尿病になりにくいようです。でもこれはコーヒーが糖尿病予防になることを証明したものではありません。特に糖尿病の人がコーヒーをガブ飲みすると?

1927年創刊の伝統あるアメリカの医学誌[Annals of Internal Medicine]1月6日号にハーバード大学の公衆衛生学の研究者らが、レギュラーコーヒーを1日6杯以上(8オンスカップ)飲む人は2型糖尿病になるリスクが男性で半分に、女性で30%近く下がると発表しました。コーヒーを飲まない人と比べるとこうなるというものです。

それにもかかわらず、本当にコーヒーがいいのかどうかは更なる研究が必要だと研究者はコメントしています。執筆者のひとり、Fu助教授(ハーバード大学医科大学院)は、『統計上のエビデンスはとても明白なので、コーヒーは2型糖尿病を予防すると言ってもいい。問題は予防のためにコーヒーをたくさん飲むことを勧めるかどうかだ。私はまだそのレベルの話ではないと思う』と言っています。

"コーヒーが2型糖尿病を予防するようだ"という研究は、2000年にオランダの研究チームが、これまた権威あるLancet誌に発表したのがきっかけです。これは、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、2杯以下の人よりも7年間の2型糖尿病発症率が50%少ないというものでした。世界中で話題になったものです。日本からも東京大学大学院・朝日生命糖尿病研究所・国立ガンセンター研究所等の研究者たちが寄稿した、コーヒーを週1回以上飲む日本人は、空腹時血糖値がおおむね低いという論文がLancet誌に載りました。もっとも、フィンランドからはコーヒーの有無は2型の発症率とは関係がないという報告も寄せられました。

ただ、オランダの研究はレギュラーコーヒーとカフェインレスコーヒーの比較、あるいは紅茶などの他のカフェイン飲料との相関が明らかではありませんでした。つまり、2型糖尿病の発症率を低くしたのがコーヒーそのものなのか、コーヒーに含まれる『カフェイン』のような薬物成分のせいかどうかがはっきりとしなかったのです。