ご夫婦はおたがいに性質や好みが似てくるものです。夫(あるいは妻)が2型糖尿病になると、その相棒も、そうでないカップルに比べて2倍も糖尿病になるリスクが高いことが分かりました。
[Diabetes Care 2003;26;710-712]
2型糖尿病は、家族歴をみれば驚く程、遺伝的なものであることに気づきます。しかし、全世界で急激に蔓延している現状は、とても遺伝だけでは説明しきれません。これは環境要因も大きな影響力をもつことを明らかに示しています。
生活習慣であるタバコや不注意な食事、エクササイズの不足などが慢性病を招くことはよく知られていますが、それを『遺伝的に繋がりがなく、しかも同じような生活習慣をしているグループ同士』で比較してみるとその環境要因が浮かび上がってくるはずです。
それには『似た者夫婦』がかっこうの研究対象になりそうです。
既に『心筋梗塞』、『がん』、『高血圧症』、『うつ病』、『ぜんそく』、『胃・十二指腸潰瘍』、『高脂血症』が同じ生活をする夫婦間でリスクを共にすることが発表されています。今回のイギリスでの研究で、2型糖尿病も片方が発症するとその配偶者もハイリスクであることが分かりました。
遺伝が繋がっている両親や兄弟姉妹が2型糖尿病になると、おのずから本人もハイリスクになるのですが、配偶者でもそれに匹敵するほどのリスクがあるそうです。