抗酸化ビタミンのCやEを豊富に含んだ食事あるいはサプリメントは、インスリンの効果を高めるだけでなく、体の臓器をインスリンの悪影響から守ってくれるようです。
(Kidney International 2003 1月号)

カリフォルニア大学Irvine校医科大学院のDr. Nick Vaziriとそのチームは、未治療の糖尿病は血糖値だけでなく血圧も高くなっていて、フリーラジカルの発生も増えることを発見しました。
糖尿病とその合併症には酸化ストレス(フリーラジカル)が大きくかかわっていることがすでに解明されています。高血糖そのものがフリーラジカルを発生させますし、タンパク質が糖化すればそれから活性酸素ができて、さらに強い酸化ストレスがかかります。
都合が悪いことにブドウ糖は活性酸素の消去酵素であるSODにも結合してその活性を低下させるので、糖尿病は酸化ストレスのとても強い状態なのです。それが合併症を引き起こすと考えられています。

実験では糖尿病にしたラットにインスリン治療をしたところ、血圧も下がってフリーラジカルの攻撃を受けたタンパク質もいくらか減少したのですが、新たな問題も見つかりました。インスリンを使うとフリーラジカルが特にNO(一酸化窒素)という分子を攻撃するようになるのです。
NOというと悪名高いディーゼル車の排気ガスを思い浮かべますが、そのNOが血管の内皮細胞から分泌されていて、血管の筋肉を緩めるシグナル(すなわち、血管を拡張して血圧を下降させる)になると知った時には驚いたものです。1998年のノーベル賞(生理学・医学)を3人の研究者がこのNOの研究で授与されたのは記憶に新しいことです。
NO(一酸化窒素)というのはそもそもがフリーラジカルの一種なのですが、それが活性酸素の攻撃を受けると更に危険な物質に変わります。これは一大事です。

しかし、インスリン治療に抗酸化ビタミンのCとEを補うと明らかにフリーラジカルの害が減りました。
このことからDr. Vaziriは抗酸化物質が豊富な食事は、糖尿病合併症の心臓・血管系や腎臓、神経などの進行を予防するのではないかと語っています。

21世紀のトレンド『糖尿病』は合併症さえ抑えられれば人生を全うできる『障害』のようなものです。
食事やサプリメントのビタミンCやEは決して高価なものではありません。そして、地中海式食生活はこれらの抗酸化物質の宝庫です。
インスリンを使っている人はエキストラ・バージン・オリーブオイルをぜひ使ってみてください。野菜料理もイタリア人並みにしませんか!
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