ブドウ糖は砂糖の半分の量で同等の血糖上昇力があります。 |
薬ではなく食品! ブドウ糖の賞味期限とは
糖尿病で入院している人達が、仲間の一人が低血糖になったことに興味津々で、その体験を聴きたくて大騒ぎしている場面に出会ったことがあります。どんな感じなのか不安と期待(?)があるようですね。低血糖には血糖が下がっているのが自覚できるものと、無自覚で介護が必要なものがあります。1型糖尿病歴の長い人以外はそれ程危険な無自覚低血糖にはならないようですから、そんなに恐れなくても大丈夫です。
一般的には血糖値が70mg/dl未満になると低血糖ゾーンになります。ただ、このレベルになると簡易血糖測定器の精度が±20%にもなりますので、数値で判断するのではなく、異常を察知したらすぐブトウ糖10g程度の物を口に入れたほうがいいのです。低血糖を起こす薬はSU剤、ベイスン(商標)のようなα-グルコシダーゼ阻害剤、そしてインスリンです。
SU剤(スルホニル尿素)やインスリンの場合はブトウ糖や砂糖、フルーツジュースやレギュラーコーラなどを取りますが、α-グルコシダーゼ阻害剤(ベイスン、グルコバイ、セイブルなど)を併用している人はブドウ糖のみを取るようにします。この薬は砂糖などの2糖類を分解する酵素の働きを抑えることで食後血糖の上昇をゆるやかにするからです。つまり、α-グルコシダーゼ阻害剤を服用していると、低血糖の時に砂糖を口にしてもどの位リカバリーできるか不明なのです。
インスリンやα-グルコシダーゼ阻害剤の作用は一過性ですからブドウ糖5~10g摂取でかなり回復します。ところで薬局でもらうブドウ糖には通常「賞味期限」として1ヵ年の期間が表示されています。薬ではなく「食品」扱いなので賞味期間になるのですが、この期限が過ぎてもブドウ糖が変質することはないのであまり心配はありません。ただし、期限オーバーのものはどの位速く血糖を上げるかは不明です。
一包ブドウ糖5g相当の固形タイプには袋に賞味期限が入っていますが、一包10gの粉末ブドウ糖には袋に表示がないので注意してください。粉末ブドウ糖は1ケース4包入りなので普通はケースで渡されることが多く、そのため賞味期限はケースに表示されています。
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