計画妊娠の方が血糖コントロールもよい
妊娠を希望して、最良の血糖コントロールを受胎前に実現し、避妊を中止することを計画妊娠と言います。これらの用意をしないのが無計画妊娠ですが、アメリカのワシントン州の15施設で85人の糖尿病の妊婦を調べた研究では、無計画妊娠が59%、計画妊娠が41%でした。やはり計画妊娠の方が血糖コントロールがよかったのです。糖尿病のある女性は妊娠前、妊娠中、出産、分娩後、授乳といろいろな課題があります。食事と運動だって不安ですね。パートナーの協力を得て万全を期したいものです。
糖尿病と妊娠に関連する合併症
母体の糖尿病合併症は、胎児・新生児に影響しますし、妊娠自体が母体の糖尿病合併症に影響します。たとえば糖尿病腎症や高血圧は、流産や早産のリスクを高め、胎児の発育遅延にもつながります。自律神経の障害による胃腸のトラブルは吐き気や嘔吐と共に栄養摂取を難しくして、インスリンとの調和も崩します。ですから、心臓の冠動脈に病気がある女性は、妊娠はタブーなのです。糖尿病の陰に隠れてしまいがちですが、タバコ、アルコール、ドラッグの習慣や家族の遺伝病、家族の周産期合併症、他の病気なども医療チームに相談しておきましょう。
これでやっとコントロールが実現します。妊娠前から分娩後までベストをつくさなくてはなりません。チーム医療と家族に支えてもらいましょう。
妊娠中は母体のホルモン状態も変化して、必要なインスリン単位も変わります。栄養をどのように増やしたらいいか?は経験豊かな栄養士が指導してくれます。エクササイズも血糖コントロールと母児の健康のために必要です。
血糖コントロールはインスリンと炭水化物のバランスがとても大切です。これも妊娠前から会得しておきましょう。
いかがですか? ここまで読むととても大変に思われるでしょうね。でも励まされるエピソードもあります。1999年度のミス・アメリカ、ニコール・ジョンソンさんは1型でしたが、見事に愛娘を抱き上げました。
ニコールさんは低血糖が怖くてA1Cを「優」レベルに出来なかったのですが、妊娠を機に思い切って実現しました。その自信が毎日の生活に活きているのだそうです。なお、この記事は医学的アドバイスではありません。医療チームの指導を守ってください。
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