今回は、糖尿病と切っても切り離せない深い関係にある白内障について考えてみます。
白内障とは?
目の水晶体が白くにごって、だんだん視力が落ちる病気です。ふつうは加齢による老化現象のひとつですが、糖尿病者では高血糖によって水晶体の変性が速いという見方が一般的です。特に糖尿病があると白濁が水晶体の中心部から起こりやすく、早期に視力が低下するそうです。この点では老人性白内障と異なります。糖尿病者では30代、40代でも起こることがあって、その進行が速いことでも知られています。
水晶体(レンズ)がにごるのですから、治療は手術してレンズの交換です。
どの段階で手術になるのかはその人の日常生活の支障の程度によるそうです。
実は私も左右の目で見る光景の色調が若干ちがうのですが、読書・テレビ・車の運転には差しつかえはありません。
知人の医師が片方の目の白内障の手術をしたら、『テレビがこんなにキレイに見える!』と喜んで、もう一方もさっさと手術をしました。患者のためでなく、テレビのためですから驚きです。
白内障の手術について
にごった水晶体(レンズ)を取ってプラスチックレンズを入れ替えます。小さな切り口で局部麻酔でよく、外来で出来る手術です。糖尿病者の白内障は高血糖の持続によるものや老人性白内障、あるいは網膜症による出血などによる病変に伴う併発白内障が混在していることがあります。
その場合は新しいレンズを入れないで、厚いメガネレンズを使うように眼科医が決めることも覚悟しておきましょう。
もう少し心配な話を続けると、アメリカのデータでは2%~4%の人が白内障の手術後に網膜はく離や緑内障(眼圧が高くなって視神経を損傷する)、感染症を起すのですが、糖尿病網膜症のある人はこのリスクが高いのです。
そして、一般論ですが白内障手術を受けた50%の人が再手術を受けるそうです。レンズが入っているカプセルが曇ってくるのです。
白内障で眼底がよく見えないと網膜症の悪化を見逃してしまう恐れがあります。だから油断できない。
どっちも怖いですね。せめて明日から食事に注意しなくては……