依存症/薬物依存症

薬物依存…人生を破滅へ導く覚せい剤(2ページ目)

覚せい剤は神経伝達物質であるドーパミンを分泌させ、快楽を司る脳の一部を刺激する物質であり、生命の危険もある急性中毒症状、依存、深刻な精神症状なと様々な問題を生じさせます。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

アンフェタミンの継続使用がもたらす依存と精神症状

アンフェタミンを継続的に使用すると心理的にアンフェタミンを欲する気持ちが強烈になると共に、以前と同じ効果を得る為に必要な量がどんどん増加していきます。また、アンフェタミン使用を中止すると数時間~数日以内に以下のような離脱症状が出現します。

  • 気分の落込み
  • 激しい疲労感
  • 過剰の発汗
  • 食欲亢進
  • 不眠または過眠
  • 悪夢
  • 興奮または沈静状態


  • また、アンフェタミンの使用は心の病気の大きなリスクとなります。アンフェタミンは脳内神経伝達物質であるドーパミンの活動を活発にするので現実と非現実の区別がぼやけ出し、以下のような精神症状が出現し易くなります。

  • 気分の落込み
  • 睡眠障害
  • イライラ感
  • 敵意を感じやすい
  • 混乱した様子
  • パニック発作などの不安症状
  • 妄想
  • 幻覚


  • 以上のようにアンフェタミンの使用は命の危険もある急性中毒症状、依存、精神症状などを引き起こし、法律で罰せられるばかりか、家族、職業、財産など人生で大事なモノをすべて失ってしまう危険があります。アンフェタミンは脳内の快楽と報酬に関与するドーパミン系に作用するので、一度、依存が生じるとアンフェタミンを欲する気持ちは強烈で、自分の意思で止めるのは大変困難になり、アンフェタミンを体の中に入れないという治療のゴールを達成するのは容易な事ではありません。

    覚せい剤を摂取する事は脳内の快感を司る部分に直接電極を挿して刺激しているのと同様の行為であり、このような物質が存在している事自体、怖い事だと思います。言うまでも無い事ですが、覚せい剤には絶対に近寄らないようにしましょう。


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