顎関節の負担が肩こりにつながる?
肩こりや頭痛が顎関節の不調と関係しているケースがあります
食事で硬いものを噛むと顎関節に違和感があったり、口があまり開かないといった人の中には、慢性的な肩こりを抱えていることも多いのです。
顎に異常が起きるとどうなる?
「顎関節症」という名称を聞いたことはあるでしょうか?口を開閉する際に動く顎の関節に何らかの異常が起きると、顎の関節周辺の筋肉や靭帯に悪影響を及ぼします。すると、顎の関節や噛む時に使われる筋肉に痛みが出る、口の開閉がスムーズに出来ない、口の開閉で音がするなどの症状が出てきます。 口の開閉で骨がきしむ音やガクン、コキッといった音が耳付近で感じるのは、顎の関節が耳に近い位置にあるからです。こうした顎の不快な症状は、1つだけではなく、複数の症状を同時に感じることもあり「顎関節症」としてまとめられています。さらに、顎関節の不調が他の部分へ悪影響を与えることがあります。顎関節に忍び寄る危険度チェック
□ 朝目覚めると歯を食いしばっていたような違和感が残っている□ 就寝中、歯ぎしりをしているようだ
□ 鏡の前でゆっくり口を開けてみると、下の顎が左右にズレながら開く
□ 顎が痛んだり、口の開閉で音が鳴る
□ かみあわせに違和感がある
□ 食事中に自分の舌や頬の内側を噛んでしまうことがある
□ 食事は片側で噛むクセがある
□ 力仕事や歯をくいしばるスポーツをしている
あてはまる項目が1つくらいなら大丈夫!と思うかもしれませんが、残念ながらそうではありません。あてはまる項目数が多いほど、顎関節への負担が大きくなっていると予想されるのです。しかしチェックが1つでも、顎関節への負担はかかっている可能性があるため、当てはまる項目はゼロであることが理想です。
顎関節の不調の原因は? ほっぺを触って筋肉チェック
顎関節の不調によって肩こり、頭痛が悪化する理由のひとつに、食事で使われる筋肉の影響が考えられます。噛むときに使われる筋肉の1つは、頬にあります。右の手のひらで右頬を、左の手のひらで左頬を触り、顔を両手で挟んだ状態で歯をくいしばってみましょう。ポコッと膨らみませんか? これが、噛む時に使われる筋肉です。もう1つ、頭部の横側にも噛む時に使われる筋肉があり、この2つの筋肉が、顎関節症の場合に緊張して硬くなり痛みを出しやすいのです。
顎関節症の治し方は? 改善のポイントは筋肉のバランスにあり
この筋肉は左右にありますが、筋肉の緊張度合いに左右で差が出ると、肩こりを起こす頭、首、肩をつなぐ筋肉のアンバランスを招く可能性が高まります。血行不良や筋肉疲労へつながると、肩こり悪化や、筋緊張による頭痛が多く感じられるようになる人もいます。姿勢バランスも乱れるため、首や背中の筋肉が過剰に緊張するなどして、改善しにくい肩こりの慢性化を引き起こすことにもなります。顎関節症からの肩こり、頭痛を予防する方法
考え事をしている時や就寝中に歯をくいしばる人は、顎関節への負担が大きくなります
例えば、ストレス状態に長期間さらされている人。仕事が多忙・家庭での悩み・眠りが浅いなど、疲労が抜けずストレスが続くと、無意識のうちに歯をくいしばっていたり、肩の力が抜けなくなっていたりします。就寝中の歯ぎしりの原因にもなり、顎関節への負担が増えるかもしれません。
ストレスフリーの生活は難しいかもしれませんが、心身のリラックスが促されるように日常生活を見直すことで、顎関節症からの肩こり、頭痛を予防することができればと思います。
顎関節の負担を減らす5つのポイント
□ 意識的に肩をリラックスさせる両肩を3秒間すくめて、スッと脱力しましょう。5回ほど繰り返します。
□ 顎を突き出すような姿勢を避ける
顔と体を正面に向けたまま、左右の肩甲骨を背骨へ寄せるように動かし3秒間キープし脱力しましょう。5回ほど繰り返します。
□ 歯並びや顎の不調が気になったら受診する
歯科や口腔の専門医に相談しましょう。歯の検査やマウスピースで補正するなどの対策をとる場合があります。
□ 片側ばかりで咀嚼しないようにする
虫歯の治療中だったり、無意識の癖だったりで、食事は右側ばかりで咀嚼するという人がいます。出来る限り左右差がないように動かしましょう。
□ 大きな口を開けない
顎関節に違和感や痛みがある場合は、大きな口を開けないように気をつけましょう。ハンバーガーを食べようと口を開けたところ、口を閉じることが出来なくなったという人もいます。
昔から肩こりがひどいという人は、顎関節に関わる筋肉に負担がかかりやすいことも考えられます。顎関節への負担を減らすとともに、肩こり対策も心がけると、顎関節の不調が原因の、肩こり・頭痛も予防できるかもしれませんね。