A)ARTに直接関係しなくても、学問に興味のある方が自由に出入りできるような場所にしたいと思います。給料は支払えないが、研究所の機材は自由に使用してもらうシステムです。つまり、病理、微生物、生理検査など医療や自然科学分野で働いてこられた方で退職後、趣味を兼ねた研究生活が送りたい方に集まっていただき、経験と技術を生かして若者を指導していただき、お茶を飲みながら議論のできるサロンを夢見ています。
そして、この田舎のプレハブ建造物から世界に向けて新しい業績の発信が出来ることを望んでいます。これはユートピアですが、現実には会員の先生方のクリニックの要求事項に最大限、応えられるよう我々の実力を高めていくことだと考えています。併せて不妊の教育部分をサポートするための仕組みづくりも進めていきたいと思っています。特にクリニックにおける患者さんへの不妊学級におけるコンテンツ提供は大事だと思います。
◆最後に先生から一言ございますか?
A)はい、我々はこれからも同じスタンスで不妊専門クリニックのサポートを行い、多くの患者さんのニーズを満たすために貢献できればと思っています。私自身も様々な医療機関で仕事をさせてもらいながら、患者さんと積極的に触れ合っていきたいと思っております。
受精・発生現象に関わる培養技術はまだまだ進歩の過程であり、限りなく進んでいくものと思われます。世界の流れを見つつ、最適な技術をご提案できるように考えていく所存です。
まとめ
荒木先生は先日、取材を行った中央クリニックの立ち上げスタッフとしてもご活躍された方です。真面目な性格と考え方に日本全国に先生のファンが多いというのも今回の取材でよくわかりました。不妊専門クリニックが高い培養技術を保てるのもこういう裏方の方々がおられるからこそとご理解頂けたのではないかと思います。
エンブリオロジストを育成しようと思われている産婦人科の先生には本当にタイムリーなサービスだと感じました。
最後に長い間、取材に応じて頂きました荒木先生を始めとする研究所の皆様、ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。