今回は私の友人Aさんのケースをご紹介致します。Aさんご夫妻は同じ大学の研究室同士の恋愛結婚で誰もがうらやむ美男美女カップルです。結婚式も帝国ホテルでの500名のパーティと目のくらむような結婚式をされたのが遠い過去のようです。そんな彼らが私に連絡してきたのはちょうど結婚後3年のことでした。
相談内容
普通、不妊相談の場合、大抵が女性の方からの相談です。今回もそうでした。最初は世間話をしていたのですが、途中からオールアバウトの話になり、そして不妊の話になっていきました。A夫人はやはり子供が早く欲しいけれどなかなか出来ないという切実な悩みを持っていました。そこでまず夫婦での意志の確認はしているのかどうかをたずねたところ、「面と向かってきっちりと話したことがないので今晩は話してみる」といって電話を切りました。
夫婦のマインドの温度差
夫婦って何でも話をする人から態度や雰囲気から気持ちを察してほしいという人まで様々です。日本人の場合は後者の人が多いように感じます。不妊治療の場合は特にこの点はデメリットになります。Aさんの場合も同じです。奥さんはほしいと思っていたのですが、実は夫はじっくりと話してみて初めて、どうしてもほしいという気持ちではないことに気付きます。でも「お前がどうしてもというなら~」というスタンスです。
大抵、ここで夫婦のマインドの違いがあるとひと悶着あります。ここをいかにスムーズに話を進めていくのが大事なポイントだと思います。夫婦が試される第1段階なのかもしれません。
初めての病院訪問
最初は奥さんだけ病院に行くことになりました。不妊専門クリニックにてカウンセリングを受け、検査と治療の流れの説明を受けました。そこで不妊症の検査は夫婦で同時期に受ける方がよいとアドバイスされ、次回は夫婦で検査を受ける予約をしました。
そして帰宅後、それをAさんに報告したところ、「そんな検査を受けに行くのは忙しくて出来ない、それに不妊症って女の人に原因があることが多いんでしょ」と非協力的なコメント。ここでまた大喧嘩になったそうです。
ケンカになって初めてお互いの事をよく考えて話し合ったところ、やはりAさんは「男性なのに不妊症で婦人科へ治療しに行くのは非常に恥ずかしいと感じていた」ということを告白したそうです。これは他の男性にも言える事ですが、婦人科に行くことは非常に勇気のいる事です。それに不妊症の原因が自分だったらどうしようという不安があります。そこで行きたがらない行動に結びつくわけです。夫婦で治療の場合は話し合いと相手を思いやる気持ちそして一緒に行動するということが大事なポイントです。
次週のコラムに続きます。9/25更新予定です。
→ 男性不妊(病院編)
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不妊症かなと思ったらどうしたらいいか