桜井院長インタビュー
診察室の様子です。デザインはシンプルですが電子カルテを活用し、患者さんにも分かりやすい解説を出来るようにしているとのこと。 |
A)このクリニックが入ったスペースは、半分以上がガラス張りで、大変採光性のよい物件でした。産婦人科、不妊治療というと、外から見えない、遮断された場所に作られるイメージが強いと思いますが、私は反対にその明るさを大切に考えました。と同時に患者さんのプライバシーを尊重するため、ご覧頂いたようにガラス面全面にフィルムを貼り、中から見えても外から見えない工夫をしました。といっても培養室は紫外線を嫌いますので、非常に明るい場所に作りながら、泣く泣く壁を作り、全く遮光しましたが(笑)。
また、産婦人科と言うと、女性を意識した暖色系の内装が多いですが、白い壁に黒い床、そこに個人的に好きなガラスやアルミ素材の家具を配置し、シャープでクールな雰囲気を念頭に作りました。勿論、採卵や小手術後のリカバリー室は、暖かさ、安らげるスペースを作ったつもりです。
待合いスペースも、ご夫婦でいらした男性患者さんの存在を考え、カウンターとハイチェアを配したり、なるべく待ちやすい雰囲気を考えました。クリニック内にはアロマを焚き、ジャズなどの曲を流しています。
メディカルモールの全景です。天気が悪い日に撮影しているので少し暗いです(ToT) |
A)プロデュースというと大袈裟ですが、やはり公的機関の手続きでしょうか。次はいろいろな決定事項ですね。上の内装にしても素材から色、デザイン、パターンと挙げたらきりがありません。自分の好きだったり、患者さんに良かれ、と思っていることと患者さんからの視点では余り良くないこともあり、大変勉強になりました。
Q)患者さん志向のクリニック作りを第一の目的とされているようですが、具体的にはどんなところでしょうか?貴院の特徴も含め、教えてください。
内装にもその気持ちを込めたつもりですが、ハードがよりもソフトの方が大切ですよね。生殖医療に限らず、どんな疾患でも、患者さんの価値観を尊重したいと思っています。どんな薬や手術法があるのか、それぞれのメリット、デメリット、患者さんの年齢や妊娠希望などに応じて選択肢を提示し、カスタマイズされた治療法を絞っていきたいと思います。これは生殖医療においても同様で、治療法は繰り返し相談しながら患者さんと一緒に考えていきたいと思います。
Q)どんなコンセプトで不妊治療を進めていかれる予定ですか?
A)同じように価値観の尊重です。一口に不妊と言っても、ブライダルチェックや妊娠相談に始まり、体外受精など高度生殖医療に至るまで、不妊治療には様々な方法、また段階があると思います。どの治療を進めるのが、カラダに優しいのか、また妊娠しやすいのか、考えます。生殖医療の3つのコンセプトは、「カラダ」と「こころ」、「妊娠した後にも」優しい治療です。
次のページではクリニックさくらの治療のこだわりをお話頂きました。