不妊症/全国の不妊治療の病院・クリニック・治療院

セント・ルカ産婦人科訪問記(2ページ目)

九州の大分県大分市というロケーションながら様々な学会発表や自院でのセミナー、不妊治療専門の統計・データベースソフト「SarahBase」の開発と紹介など、積極的に不妊治療に取り組まれている。

執筆者:池上 文尋


<宇津宮院長先生インタビュー>

院長先生、お忙しいところインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます。早速ですが質問させて頂きます。
PCO
宇津宮院長先生の写真、病院サイトから拝借致しました。

Q)大分での不妊治療においての地域の特性はありますか?

A)他の地域でも同じような事があると思いますが、不妊を周りに言えない人が多いです。家族や親類縁者が子供について詮索するパターンが多いからです。

Q)そうすればカウンセリングに力を入れることになると思いますが、実際どのようにされていますか?

A)カウンセリングは専門の心理士がいて約1時間するようになっています。診療中や外来でつらそうにしている人を出来るだけ見つけて、心のケアが出来るようにしております。

Q)治療を止める理由で多いのはどんな理由でしょうか?

A)大分の場合でもやはり経済的な理由で治療を中止される方が多いです。ご存知の通り、
経済的にも厳しい県ですので、そういうことになるようです。

Q)先生の治療へのこだわりをお聞かせください。

A)まず患者さんに対して勉強してもらうと言うのが当院の方針です。治療を勉強してもらい、自分たちで治療の目標を決めてもらうことが大事だと思うからです。そのための場として様々な種類のセミナーや勉強会を準備しております。一般に不妊の患者さんは不妊治療の知識に触れる事が少ないため、勉強できてないことが多いので特にこの部分には力をいれています。

それから患者さんに出来るだけ35歳未満で治療してもらうように啓蒙しています。妊娠率を高く維持するためにも大事な事だと思っているからです。

そして心のケアに力を入れているのは上記の通りです。

Q)先生と貴院のスタッフの皆さんは様々なデータを蓄積の上、それを活用して様々な学会で発表されていると聞いております。その理由をお聞かせください。

A)研究と言うのはきちんとしたデータを出す事が基本です。よって我々は独自で開発したデータベースSarahBaseを活用し、臨床のあらゆる場面でのデータを細かく蓄積しています。そのデータを元に様々な視点から不妊治療のさらなる進化を探っています。どの要因が妊娠率に影響しているのか、このシステムにより徐々に解明しているところです。

Q)JISARTとの関わりは?

A)不妊専門クリニックとして一定の基準を超える事は当たり前で、それ以上のレベルで対応したいと言うのが我々の方針です。そして我々が行なっているこのデータ管理もJISARTの標準にして頂き、きちんとしたデータ管理で妊娠率や治療成績を出すようにしたいと考えております。

Q)今後、病院として力を入れて行きたいのはどんな部分でしょうか?

A)まずはJISARTの関連でISO9001を取得する事ですね。今、その取得に向けての活動も順調に進んでいます。それからカウンセリング研究会に力を注いでおります。
東邦大学の久保春海教授と共に不妊カウンセリングの部分に注目しており、それを患者さんにもフィードバックしております。

お忙しいので一気に質問して一気に答えて頂きました。そしてここで院長は仕事に戻られました。そしてその後、工藤さんと一緒に院内見学をさせて頂きました。(次のページでは病院内の様子を写真で説明してまいります。)
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