今年始め、社会問題となった感染性胃腸炎の大流行。お年寄りを感染から守るには?
「おなかに来る風邪」が今年も大活躍する季節になりました。そう、去年暮れから今年はじめにかけて、大流行した感染性胃腸炎です。国立感染症研究所によれば、12月5日~12月11日に感染性胃腸炎で受診した人は、1医療機関当たり14.9人。なかでも山口県(31.5人)、佐賀県(30.2人)、福井県(29.2人)などで多いことがわかりました。感染性胃腸炎は、かつて12月にピークを迎えるとされていましたが、最近では1月以降に最多となる傾向があり、国立感染症研究所は今後もさらに警戒が必要、と指摘しています。



冬の牡蠣にご注意!


感染性胃腸炎のうちでもとくに注意したいのが、ご存知、ノロウイルス。マスコミ報道で知っている方も多いかと思いますが、おもに牡蠣などの二枚貝から感染するといわれています。それではいったいどうして、この季節にノロウイルスに感染しやすくなるのでしょうか。

ノロウイルスは、直径約30ナノミートルという小さな菌。感染すると、1~2日後に激しい腹痛や嘔吐、下痢、38度以下の発熱を起こします。増殖するのは、人の小腸の中。さらに便とともに下水に排出され、河川、海へと流出されます。これを牡蠣が体内へ取り込んでしまうのです。

冬は牡蠣の活動が一段と鈍る季節。海水の排出力が落ち、体内にウイルスの粒子が滞りやすくなってしまいます。夏の牡蠣は傷みやすいからと、一般に避けられがちですが、じつは冬も安心はできません。したがって生食で食べてよいのは、浄化加工されたもののみ。どれほど新鮮でも加熱用牡蠣は生のまま食べないようにしましょう!

予防法は・・・


・牡蠣などの貝類はよく火を通してから
生食用以外の牡蠣、貝類はよく加熱して食べましょう。めやすは85度以上で1分間です。

・調理器具の消毒を
牡蠣や貝類を調理したときは、使用したまな板や包丁などをよく洗い、消毒を。この際、熱湯や塩素系の消毒剤を使うとよいでしょう。水道水の蛇口、食器洗いのスポンジもついでに消毒して!

・手洗いはこまめに
外から帰ったら、家族全員、手洗い敢行!人が集まる場所、とくに福祉施設、病院、ホテル、学校、飲食店などから戻ったら、よく消毒すること。

もしも感染してしまったら


残念ながら、現在のところ特効薬はなし。市販の下痢どめ薬は、ノロウイルスの体外排出を遅らせるので控えて。お年よりは体力的に衰弱しやすいので、できるだけ安静に。また、脱水症状を起こさないよう、水分をこまめに摂るように心がけてください。食事は食べられるものを少しずつ食べるようにするとよいでしょう。症状がひどいようなら病院へ。点滴など必要な医療処置を受けましょう。

家族は、感染者の便をなどを触らないように気をつけてください。排泄介助のときは、使いきりの手袋を利用しましょう。便器を使う際は、その都度、しっかり消毒を。消毒後は、手をよく洗い、タオルをその都度替えるようにします。症状が治まっても最大1週間くらい、感染の危険性があるので、便器の消毒や手洗いは続けてください。

【参考】
NHKきょうの健康 11月号
朝日新聞 12月24日
国立感染症研究所
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