虫歯/虫歯の治療法

抜歯しても歯が残る!?歯の部分的な抜歯(2ページ目)

見えないところに隠れている根を切り分けることによって、1本の歯を丸ごと抜歯せずに、残すことが出来るとしたら……。出来るだけ歯を残すための根の切り分けについて、ガイドが解説します。

丸山 和弘

丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康 ガイド

地域密着型の現役歯科医師。小さな子どもの虫歯予防からお年寄りの入れ歯相談まで、数多くの症例と日々向き合い、1995年より臨床一筋。虫歯、親知らず、口内炎、歯周病などを防ぎ、歯の健康を守るための基礎知識や、歯の治療に関する情報をわかりやすく解説します。

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悪い根だけを切り分けるプロセス

ヘミセクション
枝分かれの部分で切り分けて悪くなっている根の部分だけを取り除き歯を残す
具体的には次のように行います。
    歯の神経は取り除く
    歯の内部に神経が残っていると、必ず露出するので、すでに神経が取ってある歯か、神経を取った後で、1根だけを切り分け、抜くのが一般的です。

    枝分する部分で根を切り分ける
    麻酔を行った後で、回転器具を使って、根が枝分かれする部分で切断する。

    1根だけを抜歯する
    枝が2根であれば、1根だけ残して、枝が3根であれば、2根残して、どんなときでも1根だけ抜歯します。

  1. 残した歯は被せる
    歯の根を切り分けて残した歯は、土台となる形に修正した後、後日被せることになります。単独で被せる場合や、他の歯と繋げてブリッジの土台とする場合もあります。

  2. 下の歯は根の枝分かれが2本のため、2根とも何らかの問題があれば、歯全体を抜歯します。上の歯は枝分かれが3本ですが、2根に問題があれば、残り1根が使用可能でも、噛む力などに耐えらず、後で問題となることがあるため、丸ごと抜歯するのが一般的です。

    つまり歯の根の切り分けは、一つの歯に1回のチャンスしかありません。さらに根の1本だけ、抜けば治るような場合に限定されます。

    次のページでは、こんな時にはまだ望みが……に続きます。
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