歯・口の病気/入れ歯・差し歯・義歯

若いあなたの歯が入れ歯に変わるとき……

若い人には縁が無いと思われている「入れ歯」。でも早い人では20代から使用するケースもあります。どんな場合に入れ歯が必要になってくるのか? ガイドが解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

若い人には縁が無いと思われている「入れ歯」。若いからまだ大丈夫! なんて思っていませんか? でも年齢が高くなるにしたがって、入れ歯を使用している人が増えていくのが現実です。どんな場合に入れ歯が選択されるのか? ガイドが解説します。

そもそも入れ歯とは?

部分入れ歯の構造
入れ歯の構造は人工の歯、人工の歯肉、金属のクラスプと呼ばれる固定装置(赤丸)で出来ている
入れ歯というのは、歯が失われた部分に歯茎と歯が繋ぎ合わさった作り物を入れ、咬み合わせや、審美を回復させる為に使います。一般的には「クラスプ」と呼ばれる留め金と、人工の歯、歯肉と同じ赤い色をした部分で作られています。

上下の顎は別々と考え、顎に自分の歯がまったくない場合に使われるのが「総入れ歯」といい、1本でも歯が残っているとその入れ歯は「部分入れ歯」と呼びます。入れ歯は、自分で口の中から取り外すことができるようになっているため、毎日汚れを清掃したり、洗ったりできるようになっています。

部分入れ歯の特徴など

いきなり総入れ歯になるケースは、ほとんどないため、初めて入れ歯を使う場合に使われる、部分入れ歯のメリットとデメリットを紹介します。

■ メリット
    咬み合わせが安定する
    自分の歯ほどはしっかり咬むことはできませんが、それでも入れ歯がない場合に比べると咬み合わせが安定します。歯を抜いたままで起こる、周囲の歯などが動くことも予防できます。

    費用が安価
    保険を利用して作った場合、費用はインプラントなどに比べると安価で済む事が多くなります。

    清掃が簡単
    口の中から取り出して、目で見ながら洗えるため、しっかり手入れをすれば綺麗に維持することができます。

  • 歯を削る量が少ない
    入れ歯の場合はクラスプと呼ばれ固定金具の調整に歯を少しだけ削るだけで作れるのがメリットです。ブリッジの場合は、土台に使う歯を削ってから被せるため、削る面積が歯の全体に及ぶ場合があります。

  • ■ デメリット
    審美的な問題が起こることがある
    一般には健康な歯を利用した固定金具のクラスプ(ピアノ線のような線状のものなど)が、入れ歯によっては口の中で目立つことがある。金具を見えないタイプは自由診療になることが多い。

    歯肉が痛くなる(当たる)ことがある
    入れ歯は歯肉の上に被さるように作られるため、歯肉に当たって痛くなることがあります。このため入れ歯を調整を何度もしなければならないことがあります。

    初めは違和感がある
    口の中に何もない場所に、入れ歯という異物を口の中に入れるため、舌や頬っぺたの粘膜が狭くなったような感じがして、一時的に異物感が出ることがあります。多くは時間と共に慣れるようです。

  • こまめな付け外しが必要なこともある
    食後に入れ歯の汚れが気になる場合、取り外して洗わなければならないことがあります。

  • 歯が1本失われてもいきなり入れ歯になることは少なく、基本的には、その他の選択肢の最後に選択されるケースがほとんどです。

    次のページは、「初めての入れ歯……一番多いケースは?」です。
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