歯・口の病気/歯並び・噛み合わせ・歯列矯正

咬み合わせ調整…なぜ健康な歯も削るの?

歯の治療では、咬み合わせの調整が頻繁に行なわれます。その際虫歯でない健康な歯を削られて驚いた経験はありませんか? 今回は咬み合わせの調整について解説します。

丸山 和弘

丸山 和弘

歯の健康 ガイド

歯科医師

地域密着型の現役歯科医師。小さな子どもの虫歯予防からお年寄りの入れ歯相談まで、数多くの症例と日々向き合い、1995年より臨床一筋。虫歯、親知らず、口内炎、歯周病などを防ぎ、歯の健康を守るための基礎知識や、歯の治療に関する情報をわかりやすく解説します。

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歯の治療では、咬み合わせの調整が頻繁に行なわれます。その際虫歯でない健康な歯を削られて驚いた経験はありませんか? 今回は咬み合わせの調整について解説します。


そもそも咬み合わせの調整とは?

咬み合わせ調整
咬み合わせの調整は、歯を長く持たせるために必要な場合が多い
歯は、下顎の関節によって単に開いて閉じるだけの動きだけでなく、いわゆる歯ぎしりのような歯を擦り合わせることが出来るように動かして咬み合わせることが出来ます。

この時あごの動きの邪魔にならないように、咬んだときに掛かる力を分散させ、バランスの良い状態にするために歯の一部(咬み合わせ面など)を僅かに削り合わせるのです。


なぜ健康な歯を削るか?

確かに歯を単独で見れば、健康な歯を削るとその歯の寿命が短くなり歯がダメになるんじゃないか? と考えがちです。しかし、歯は上下の歯をぶつけ合い、咬み合わせて使用します。

もし片側の健康な歯に鋭く尖った部分があれば、反対側の歯には、えぐられたようなくぼみになります。健康な歯でも形に問題があれば、相手側の歯にダメージを与えることがあるので調整が必要となります。咬み合わせの調整は、上下セットと考える必要があります。

さらに咬み合わせでは、顎の動きに対して、歯の噛み合せ面の凸凹が邪魔していないかも大切なチェックポイントとなります。歯の形態が自然のままの状態が、顎の動きに対しても最適な状態にあるとは言えないからです。

顎の動きは力強く規制されにくいため、邪魔しようとする歯や、形態があると歯を擦り減らしたり、まるで矯正のように移動させたりします。

次のページは、咬み合わせの調整が難しいわけに続きます。
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