脳・神経の病気/脳梗塞・脳出血・くも膜下出血

クモ膜下出血ってどんな病気?(2ページ目)

料理家の小林カツヨさんがクモ膜下出血で倒れられたというニュースがありました。今回はクモ膜下出血についてお届けします。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

クモ膜下出血の原因
大部分が脳動脈瘤

軟膜とクモ膜の間には血管があります。そして、血管の壁には、生まれながらにして一部、弱いところがあります。(だいたい血管の枝分かれするところというイメージです)その部分が、だんだんお年をとるにしたがって、風船のように膨らんでゆきます。これが脳動脈瘤と呼ばれる「脳の血管のコブ」です。

このコブが破裂すると、クモ膜の下に血がたまる「クモ膜下出血」が起こるのです。なんと、クモ膜下出血の8割以上が脳動脈瘤の破裂によるといわれています。50~70才位の働き盛りの方によく起こります。


クモ膜下出血の症状
激しい頭痛が特徴

典型的な症状は「カナズチで殴られたみたいに、突然痛み出して(例えば、「何時何分何秒」といえるくらいはっきりと)、しかも今まで経験したことのないひどい頭痛」です。嘔吐や意識障害を伴うこともあります。程度がひどければ死に至ることもあり、うまく治療ができたとしても、「言葉がもつれたり」「手足の動きが悪くなったり」するといった後遺症が残ることも多い病気です。


クモ膜下出血の治療
救命、再出血の予防

程度にもよりますが、まず、救命が主になります。脳動脈瘤が破裂した場合、なんと約半分の方がそのままお亡くなりになるか昏睡状態になるといわれています。

破裂して出血した後は、脳の血管が一時収縮することと、自然と血のカサブタができることで一時出血が止まりますが、また出血してしまう可能性が高いので、何らかの処置が必要になります。大きく分けて次の2つになります。

・外科的手術(外科的に頭を開けて、破裂したところをつまむ=クリッピング)
・血管カテーテルによる処置(足の付け根の血管から細い管を入れて、脳動脈瘤に人工的なものをつめて固まらせることによって再破裂を防止)


クモ膜下出血の予防
動脈瘤は検査で調べられます

脳動脈瘤自体はMRIやMRA(磁気共鳴画像検査)(MRIについて詳しくはツタンカーメンもびっくり!CTで死因がわかる!? CT、MRIってなあに?へどうぞ)でわかります。

でも、実は、脳動脈瘤が見つかった場合でもそれをどう処置するかが難しいところなのです。

なぜかというと、脳動脈瘤をそのままにしたとしますよね。するとその動脈瘤が破裂して、クモ膜下出血を起こす確率は一年に大体2~3%といわれています。

では、脳動脈瘤に対して処置をするとしましょう。この場合、大体、くも膜下出血の治療と同じで、外科的手術をするか、カテーテルで治療をするかというお話になるわけですが、どっちの処置にしても、その合併症は3%くらいといわれているのです。どっちがいいか、自分の立場でも悩んでしまいますよね。

現在はある程度以上の大きなものに関しては何らかの処置を行うという方向で治療が行われているようです。

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いかがでしたでしょうか。
クモ膜下出血以外の危険な頭痛について詳しくは「危険な頭痛」ってどんな頭痛?へどうぞ。
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