便秘の定義は実はあいまい? 多くの女性が悩む不調
女性に便秘が多いってほんと……?
そもそも「便秘」とはどういう状態のことを指すのでしょうか? 実は、便秘にはっきりとした定義はなく、2~3日に1回しかお通じがなくても、本人が苦痛でなければ「便秘」ではないのです。でも、毎日お通じがあっても、どうも便が残っている感じやおなかが張っている感じがしてすっきりしなかったら、それは便秘と考えます。いわば、本当に大雑把に言ってしまえば「すっきりしない感じ」=「便秘」なのです。
便秘によるお肌の悩みやイライラ感、また女性のほうが男性よりも便秘になりやすい理由ついて解説します。
便秘が原因で肌荒れ・イライラは起こるのか? 背景に自律神経の乱れも
便秘に伴って起こる不快な症状として、お腹の張り感や腰痛、肌荒れやにきびなどのお肌の悩み、イライラの高まりなどがよく聞かれます。おなかが張っている感じがするのは、便が長い間腸にとどまってしまうことで、腸内の悪玉菌が増殖してガスが発生するからといわれています。一方、肌荒れや頭痛の原因としても、よく「有害物質がたまって体をめぐるから」という説明がされていますが、これに関しては医学的にはっきりわかっていないというのが本当のところです。
便秘に伴って、自律神経の働きが乱れることが、こういった症状の原因ではないかと考えられています。たとえば肌荒れも、自律神経の乱れからくる、皮膚の血行不良が一因ともいわれています。
月経前に便秘になりやすくなるわけ…腸の蠕動運動が弱くなるため
女性は、排卵後から月経前までは、その時期多く分泌される黄体ホルモンの影響で腸の蠕動運動が弱くなります。つまり、その時期はどうしても便秘になりやすくなってしまいます。また、黄体ホルモンは同時に体に水を溜め込む性質があるので、体全体が非常にむくみやすくなり、ますます身体が重いと感じてしまうようです。「生理前はどうも体が重くなってしまうのよね……」というお悩みはこういった理由から生じるわけです。
女性に多い便秘、筋力低下や胃下垂が原因の可能性も
また、一般的に女性の方が男性よりも筋力が弱いため、胃下垂や内臓下垂が起こりやすいようです。下垂した臓器に腸が圧迫されると便秘になりやすいですし、筋力が弱いこと自体が腸の運動が鈍くなる原因になると思われます。また、便を押し出す腹筋が弱ければ便を出しにくくなるため、ますます便秘がちに。さらにそういった方は同時に痔にもなりやすくなります。
運動不足だと腸が刺激されないのでこれもまた便秘の原因になってしまいます……。
便の7~8割は水分! 便秘解消にはまず規則正しい生活を
日本人の便は大体7~8割が水分です。残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、食べ物の残りかすが1割強、残りは脂肪やその他のものという構成になっています。ダイエットすると、そもそも便のかさが減って便秘になりやすくなります。水分が不足すると、便が硬くなって便が移動しづらくなりますし、あまりに脂肪分を控え過ぎると、便のすべりが悪くなるということも起こり得ます。
偏った食生活、ストレス、過労、食物繊維の少ない食事、不規則な生活でも便秘は悪化しがち。できるだけ規則正しい生活習慣を心がけて、便秘にさよならできるといいですね。便秘の仕組みや原因については、「便秘の仕組み・原因・病気・解消法【医師が解説】」に詳しくまとめてありますので、宜しければご参照ください。