肥満・メタボリックシンドローム/肥満解消・メタボ対策の生活習慣

良く噛めば痩せるってホント?

「ダイエットは脳でする!?」第2回、今回は「良く噛むとやせるってホント?~噛むと太りにくい3つのワケ」についてお届けします。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

そのダイエット知識はホント!?
そのダイエット知識はホント!?
人間の行動や感情をコントロールしているのは「脳」。「おいしい」と思ったり、「おなかすいた~っ、もっと食べたい」と感じるのは胃や小腸、はたまた肝臓ではなく「脳」なのですよね。

そうすると実はダイエットへの早道は「どうやったら脳が満足するか?」を考えてあげないといけないかもしれません。

良く噛めば痩せるってホント?噛むことで満腹物質が分泌されます

脳の中の視床下部という部分は食欲のコントロールに関係していますが、そこから分泌される「ヒスタミン」という物質があります。ヒスタミンは満腹物質として働くことで知られています。ところが、面白い実験があります。マウスを使った実験で、食べ物を胃チューブで与えるとヒスタミンが分泌されないのです。*1

つまり、この「満腹物質ヒスタミン」を分泌させるためには口から食べ物を摂って、噛んで食べることが必要だと考えられるのです。

口の中で食べ物の舌触りや香り、歯ごたえなどを良く味わって食べることで、脳がきちんと満腹を認識するといえるかもしれませんね。

ちなみにヒスタミンの原材料になるのがヒスチジンという必須アミノ酸で、イワシ、秋刀魚などの青魚に多く含まれます。青魚を食べていると太りにくいという報告もありますのでご参考までに。*1

*1 肥満の科学~肥満症治療のアプローチより引用

血糖値やインスリンが満腹中枢を刺激

早食いは肥満のモト!
早食いは肥満のモト!
良く噛むと唾液が分泌され、食べ物が細かくなり、消化されやすくなります。すると血糖値が上がり、さらに糖を分解するインスリンが分泌されます。そして最終的には、脳の満腹中枢が刺激されて「おなかいっぱい」と感じます。

こういった反応で満腹中枢が刺激されるまで15分~30分かかるといわれています。

つまり、良く噛まないで早食いすると、満腹中枢が刺激される前にたくさん食べてしまうので太りやすいと考えられるのです。

食事をすることでカロリーを消費?!

食事誘導性熱産生(DIT=Diet Induced Thermogenesis)ってご存知ですか?食事すると体があたたまりますよね。これは食べ物を消化・吸収する時に体がエネルギーを発散するからで、この熱のことをDITと呼びます。

つまり、私たちは食事する時に熱を産生しているのです。良く噛むと、消化活動が活発になり、体温が上昇しやすいと考えられます。

ちなみに、このDIT、夕方~夜になるにつれだんだん少なくなることが知られています。つまり、夜食は太りやすいということですよね…。

どれくらい噛むのがオススメ?

一回口に入れたものを飲み込むまでに30回くらい噛むのがオススメです。

「食べること」というのは、本来、味や舌触り、歯ごたえ、温度など、いろいろな情報を脳に伝えることとも言えそうです。じっくり味わって食べましょうね。

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