「1年未満」との比較で、「5年以上」で経験が評価され、給与にも反映する職種のうち、「1~4年」と比較的経験の浅いうちでも評価を得られる可能性があるのは、建築技術者、保健医療関係の職業、デザイナー、会社・団体の管理の職業、理容師・美容師、一般機械器具組立・修理などとなっています。

 それ以外の職種では、経験をより高く買ってもらうためには経験年数から見た“売り時”を考える必要があるでしょう。


職種によっては能力のクラスター化が必要

 社会福祉専門の職業、一般事務など事務的職業、販売店員、警備員、ドライバー、倉庫作業員などの職種では、経験が長いからといって必ずしも優遇されることにはならないようです。一般的に見れば、それほど専門性が強いわけではなく、基本的な能力と適性があれば1年もすれば十分に仕事がこなせるようになる職種だからです。

 これらの職種を募集する会社は、なまじ経験を積んで年齢が高くなった人よりも、経験は浅くても若い人を迎えたがる傾向があるようです。ちなみに、[DATA2=次ページ]で年齢階級別に給与のピークを見ると、多くが45~54歳以降の階級でもっとも給与が高くなっているのに対して、理容師・美容師、飲食物給仕、ビル・寮・駐車場等の管理人、清掃員・雑務員など4職種では25~34歳がもっとも給与が高くなっています。

 経験年数がプラス評価に結びつかない事態が起きるのは、何も転職したときの給与に限ったことではなく、ずっと同じ会社で同じ仕事をしている場合でも同じことです。ですから、これらの仕事に就いている人で、もう一段の給与アップを狙うのであれば、職種経験以外に、たとえばマネジメントを勉強するなどして、複合的な能力を身につける努力をすることが求められます。

 もちろん、専門職としてに奥行きがあって、経験を積むことで仕事領域を広げることができる仕事であっても、より高い給与を望むなら、現在の専門に加えて新しい技術や知識をどんどん取り込んでいく努力をすること、新しい領域にも積極的に取り組んでいく姿勢が求められるのはいうまでもありません。

 なお、[DATA2]は、各職種ごとの経験「1年未満」の人に対する初任賃金と、初任賃金額がもっとも高い年齢階級の賃金を示しています。この[DATA2]と[DATA1]から、自分の経験年数と照らし合わせて、転職後の初任賃金の相場を把握できるとともに、自分が就こうとしている仕事の賃金上昇の見込みもある程度まで理解できるはずです。