転職のノウハウ/転職成功事例

紹介予定派遣・契約社員から正社員に!(2ページ目)

今回は、紹介予定派遣、契約社員から正社員になるキャリアパスを考えます。一度、紹介予定派遣や契約社員として働き、その後、ステップを踏んで、正社員への道を考えるということも有効かと思います。

執筆者:高野 秀敏

実際に契約社員から正社員になった方にインタビューをしました。

Aさんの場合
20代/女性/人材/営業事務

正社員になるために必要なこととは…?
正社員になるために必要なこととは…?
■ガイド高野
契約社員から正社員になったのはAさんの希望ですか?

■Aさん
はい。そのとおりです。できれば最初から正社員で入社したかったのですが、当時は、客観的にみても年齢に対して転職回数が3回と多く、転職活動をしても、正社員で採用していただける会社が少なかったのです。そこで、あまり希望があわない会社から正社員として内定がでたのですが、仕事内容と社風で現在の会社を選択しました。

■ガイド高野
どのくらいの期間で、正社員になれたのですか?

■Aさん
社員になるまでは、1年強の時間がかかりました。営業事務として入社したのですが、営業グループのメンバーのフォローをしつつ、少しずつ信頼を得て、内勤営業のような形で、外出はあまりしないものの、実際のオペレーションの仕事を、営業の方から少しずつ増やしてもらい、営業の担当者が不在でも仕事がまわるような「仕組み作り」を積極的にしました。人材関係の会社でしたので、書類を提出したり、面接の調整をしたりするのが仕事だったのですが、企業の理解を自主的に行い、基本的な面接対策などは自分でもできるように、営業の方にも教えていただきつつ、仕事の幅を広げていきました。

■ガイド高野
正社員になれたポイントは何だったと思いますか?

■Aさん
お客様が、「担当の営業の〇〇さんより、事務のAさんのほうが優秀だよね」と私たちの上司に話をされたことがきっかけです(笑)
もちろんそれだけではなく、評価のタイミングでは、きちんと正社員になりたい旨を伝え、どこまでできるようになれば社員になれる
可能性があるかを確認していました。どうすれば社員になれるのか?という決まりがない会社でしたので、実力、実績で認められる
しかないことはわかっていました。従いまして、今のチームの社員の人と同じではなく、それ以上のパフォーマンスをあげようと努力
しました。

■ガイド高野
自分ががんばることでやっかまれたり、妬まれたりしませんでしたか?

■Aさん
同じ営業事務の方からはもしかすると、妬まれたりしたことはありました。「あの人出すぎだよね」とか。陰口も叩かれていたようですし、実際に聞いてしまったこともありました。ただし、自分は働かなければいけない個人的な理由がありましたし、腰掛けOLではいられず、自立して、お給料をしっかりと稼げる人材にならなければいけないと心に決めていましたので、あまり気になりませんでした。また、営業グループの方は、10名前後いたのですが、多くの方に自分の仕事に対する強い熱意を感じてもらっていましたので、いつかは必ず自分の目標は達成できると考えていました。

≪ガイド高野の感想≫
Aさんが正社員になれたと思うポイントを述べます。

(1)仕事に対する質の高さ
自分の業務を仕組み化できるようにしていることや、社員の方よりも優れた仕事のやり方で、お客様を納得させたということ。
(2)正社員になりたいとはっきり伝えている
なりたいと心のなかでだけ思っている方がたまにいます。口に出して言わないことにははじまりません。
(3)周囲の嫉妬などがあっても気にしない
一歩踏み出せば軋轢はあります。その軋轢を気にせずに前進する勇気。ある意味鈍感力といえるかもしれません。目標を達成するには何かを捨てなければいけないということがわかっている。

Bさんの場合
IT、20代、女性、秘書

■ガイド高野
Bさんは、紹介予定派遣から、正社員になったと伺っていますが、どのようなプロセスを経たのですか?

■Bさん
私は、最初は、紹介予定派遣で社長秘書として入りました。あまり大きな会社ではなかったので、社長も社員で最初から採用するには、心配だということでした。初めての秘書ということもあり、業務も決まっていませんでしたし、社長はいつも忙しい。トラブルも起こりますので、当初は目がまわりそうでした。

しかし、ここで投げたら、社員への道はないなと感じていましたので、必死でついていきました。最初は、遠慮もあったのですが、どうも社長は遠慮をするぐらいならはっきりいって欲しいというタイプの方でしたので、社長や会社にとって必要だと思えばそれこそ、言いたいことを何でもいってきました。

例えば、アポの変更が多かった場合など、「どうして何度もアポの変更があるのか」などいえば、正直うるさいやつだと思われたと思いますし、たまに「うるさい!」と言われることもありましたが、社長はすぐに忘れる方でしたので、助かりました。予定としていた入社3ヶ月はあっという間に過ぎまして、社長としては本業に大分専念できるようになったようでしたので、そのタイミングで正社員になることができました。

■ガイド高野
最初の3ヶ月は、社長に意見することなくおとなしくしたほうがよいのではなど悩みませんでしたか?

■Bさん
はい。悩みました。とはいえ、当時会社が大変な繁忙期で、社長がてんてこ舞いになっていることがわかりましたので、具体的に仕事で貢献して、社長の負荷を取り除かないことには会社は前進しないですし。「遠慮しながらやっているならいなくてもいいので、ガンガン仕事をやってくれ」という社長の言葉を聞いてからふっきれたように、良い意味で遠慮なく、しかし、敬意をはらって仕事ができました。もちろん、うちの社長にも問題点はあるのですが、尊敬できる点が多々あるので、支えていきたいと考えています。

■ガイド高野
社員になれたポイントは何だと思いますか?

■Bさん
運が良かったというのもあるかもしれませんが、あえてあげれば、上司(社長)が必要としていることをできるだけ先回りしていったただ指示を受けるだけではなく、その仕事の意味を考えながら行動したことだと思います。わからなければ質問をして、確認するなど非常に基本的なことを徹底して行ったということだと思います。

≪ガイド高野の感想≫
Bさんが紹介予定派遣からきちんと順調に社員になれたポイントをまとめます。
(1)上司に対して必要だと思われることを先回りして行った
(2)言われるだけではなく、必要に応じて、確認、質問をした(多少の軋轢は恐れない)
(3)常に上司には敬意を払って、尊敬しながら仕事をしていた(想いは毎日接していると伝わりますよね)

雇用においては、ダイバーシティ(多様性)が叫ばれるなか、派遣、契約社員、正社員など、様々な働き方があり、それぞれに固有のメリットもあると思います。とはいいながら、正社員の道に進みたいという方も比較的多いと感じています。今回は正社員という道を選んだという方の事例でした。

不景気の時期でも求人はもちろんあり、転職を決めている方も日々おります。慎重に考えながらも、目の前の仕事にも精進していただきたいと思っています。


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