フランスの合計特殊出生率「2」回復

合計特殊出生率推移
日仏英伊の合計特殊出生率推移(『人口統計資料集2008』より)。
フランスの国立統計経済研究所(INSEE)は、2006年のフランスの合計特殊出生率は2.0に回復したと発表しました。

合計特殊出生率とは、1人の女性が生涯に生む子どもの平均数のことです。ある国の合計特殊出生率が2.08(人口置換水準)以上あると、その国の人口が維持できるとされています。

当然、子どもが増えることによって、少子化だけでなく、高齢化の進行も食い止めることができます。現状の合計特殊出生率でいくと、日本では2030年、65歳以上人口が実に31.8%になると予測されています(国連『世界人口予想2006年度版』)。年金問題は今よりより深刻になるでしょう。

これに対してフランスでは2030年になっても65歳以上人口は23.2%にとどまると考えられています(同資料)。日本の今の65歳以上人口が20.8%ですから、年金問題は発生するでしょうが、まだまだ備える時間はありそうですし、ひどく深刻な状態にもならないような数字です。

少子化は食い止められる?

上に上げたグラフをみていただくとわかるように、実は他の国も、合計特殊出生率は底を打って上昇基調です。1995年に最低の1.19という合計特殊出生率をだしたイタリアも、今では日本と同じ水準です。

他の国でもベルギーは1980年代後半、オランダは1990年代前半に底を打ち、じわじわと合計特殊出生率を上げてきています。やりようによっては合計特殊出生率は上昇し、少子高齢化の急激な進行は食い止められるようです。

特にフランスは育児関連予算をここ数年重点的に増やし、国内総生産(GDP)に対し2.6%という高い比率で支出してきました。これはヨーロッパでも高い方です。

単純比較できませんが、日本の少子化関連予算の対GDP比率は0.75%。日本も2006年は出生率が上昇しました。少子化対策に本腰を入れれば、2030年の「ほぼ3人に1人が高齢者」という予測を改善できるかもしれません。

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