裁判員制度を規定した裁判員法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)が2009年5月21日に完全施行されます。いよいよ裁判員制度がはじまるわけですが、わたしたちはどのような手続で裁判員になるのでしょうか?

1ページ目 【「裁判員候補者」って何?】
2ページ目  【どういう場合に辞退できる?】
3ページ目 【裁判員選任手続の流れ】

「裁判員候補者」の選任

裁判員選任まで
裁判員が決まるまでの流れ。
まず、各都道府県を管轄する地方裁判所が毎年9月1日までに、次の年に必要な裁判員候補者の人数を決定します。それに基づき、その都道府県の市町村の選挙管理委員会が有権者の中から「くじ」で「裁判員候補者」を選び、10月15日までに地方裁判所に送付することになっています。

つまり、いきなり「あなたはこの事件の裁判員になりました」という通知はこないのです。まず、管轄の地方裁判所から「あなたは裁判員候補者の名簿に記載されました」というようなお知らせがくることになります。ここまでの手続は、2008年中から行われます。

裁判員候補者でいるのは1年。毎年、裁判員候補者名簿を作り替えるからです。ここで裁判員候補者になったからといって、必ず裁判員になるとは限りませんし、裁判所に行くとも限りません。

裁判員候補者はどれくらい選ばれるのでしょうか。各地方裁判所で決めることなので、当然地域差があるようです。読売新聞によると、東京地裁は裁判員候補者を3万8千人と決定、309人に1人が候補者になることになる計算です。大阪地裁は2万8900、245人に1人が候補者となる計算になります。

もっともこれらの裁判員候補者数が妥当かどうかは、正直なところ、やってみないとわからないというところがあります。初年度はどの裁判所も、辞退者数や裁判が突発的多くなることを見込んでやや多めに決めようとしているようです。

こうして全国でおよそ30万人が裁判員候補者に選ばれ、今年末に候補者に通知されることになっています。

裁判員候補者の地方裁判所への「呼び出し」

質問票
裁判所から送られてくる質問票。書いた内容によっては辞退もできる?
裁判員制度対象事件の公判期日が決まったところで、地方裁判所は裁判員候補者名簿のなかからこの裁判で裁判員になる人を選任します。この選任手続は非公開です。

まず裁判員候補者から「くじ」で該当事件の裁判員候補者を選びます。しかし、ここで決まった人たちがすべて裁判員になるわけではありません。このあと地方裁判所に呼び出され、最終的に6人(被告人が争わないことが公判前整理手続で決まっている場合は4人のことも)の裁判員が決定します。裁判官は3人(裁判員が4人のときは1人)です。

正当な理由なく裁判所の呼び出しに応じない場合は、10万円以下の過料(少額の罰金)が科せられます。出頭した人に対しては、旅費や日当、宿泊料が支給されます。旅費は鉄道・航空・船舶運賃のなかから最も安い料金のものが支払われ、やむをえず車で移動する区間がある場合は1kmあたり37円で計算した金額が支払われます。

バス運賃は、車移動とみなされその金額が適用されます。高速料金などは支払われません。鉄道の場合、片道の利用区間が新幹線・特急で100km以上、急行では50km以上の場合、指定席特急(急行)料金が支払われます。100km未満でも、それによって宿泊の必要がなくなる場合、特急・急行料金が支払われます。

支払われる日当は、1日あたり8000円以内となっています。手続きが午前中だけで終わって自分は裁判員に選ばれなかった、そんな場合は半額程度になることもあるようです。宿泊料は1泊7,800円または8,700円と、地域によって異なります。宿泊料が支払われるかどうかについては、あらかじめ送られる呼び出し状にそのことが記載されることになっています。

この「呼び出し」によって裁判員が決定するのですが、地方裁判所はこの「呼び出し」の前に「質問票」を候補者に送り、回答するよう求めてきます。これに法律上の欠格事由や正当な辞退理由(次ページに記載)などを書き込んでもらうことで、裁判員になれない人を呼び出すムダや手間をなくし、手続きの円滑化を図っています。

この質問票に虚偽記載をした場合は50万円以下の罰金が科せられます。