日中両国の共通利益を追求
戦略的互恵関係とは。 |
戦略的互恵関係とは、「長期にわたる平和及び友好のための協力が日中両国にとって唯一の選択」(共同声明から)であるという認識=戦略から出発し、両国の友好関係をより未来志向で深めていこうとする日中両国の関係のことをいいます。
福田首相は昨年中国を訪問した際、北京大学での講演で、互恵協力・国際貢献・相互理解・相互信頼が戦略的互恵関係の柱であると話しています。
国際貢献とは、1つには地球温暖化問題など環境問題が、もう1つには北朝鮮の核問題が、ともに日中両国にとっても大きな問題であり、問題解決のためには日中の連携した国際貢献が必要であるという認識のことです。
対立から「互恵関係」に移れるか?
しかし、日中両国間には大きな問題も残っています。1つは東シナ海の日中中間線付近で中国が一方的にガス田開発を行っている問題です。首脳会談によって「大きな進展があった」と報じられていますが、具体的な発表は一切ありません。
今後両国で詰めることが多いからだと考えられていますが、おそらく共同開発ということになるのではないかと思われます。
「毒ギョーザ問題」もまだ決着していません。首脳会談では捜査協力の継続だけは合意されましたが、それ以上の進展はありませんでした。
さらに歴史認識問題、尖閣諸島領有問題なども残っています。
今回の日中首脳会談はチベット問題で国際的な威信低下を招いた中国に対し日本がある程度の譲歩をし中国に恩を売った面は否めません。それがどのように日本に返ってくるか、注目していきたいところです。
■関連サイト 「大陸棚」の基礎知識
尖閣諸島問題の基礎知識
中国政治の基礎知識2007[政治情勢編]