社会ニュース/よくわかる政治

アメリカ大統領選挙、気になる疑問(2ページ目)

アメリカ大統領選挙が白熱しています。ここで、アメリカ大統領選の報道などで出てくる用語や制度などについて、よくわからない方もいらっしゃると思うので、ちょっとまとめてみました。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【無所属からでも立候補できるのか?】
2ページ目 【党員集会・スーパーチューズデーとは?】
3ページ目 【「本当の大統領選挙」は11月ではない?】

党員集会とは?

テキサス州結果
予備選と党員集会を併用しているテキサス州の2008年の各々の結果。
予備選と違い、一般党員たちの話し合いで代議員を決定していく方法です。

基本的には[投票区集会]で[郡集会]の代表を、さらにそこで[下院選挙区集会]の代表を決定していき、[州集会]で代議員を決定するというパターンです。しかし、[投票区集会]の結果を集計しそのまま代議員を決定する州も多くあります。

予備選と違い、人々は集会で討論や話し合いを行い、または特定候補への支持を決めていない人々に対する説得などが開かれた場で行われるのが特徴です。こういうことが苦手そうな日本人には及びもつかない決定方法といえます。

州によっては、予備選と党員集会を併用して決定するところもあります。

スーパーチューズデーとは?

二大政党の候補指名選挙は州ごとにまったくバラバラに行われています。しかし、2月または3月の火曜日に、たくさんの州が一斉に予備選・党員集会をやることがあります。

この日が「スーパーチューズデー」と呼ばれています。

1988年選挙で、南部諸州がその影響力を高めるために予備選を集中させたのが始まりといわれているもので、歴史的には比較的最近生まれたものです。

この日に特定の候補が多くの州で勝利を収めることによって、候補指名選挙はほぼ決着するというのが普通です。そういった意味で2008年の民主党候補指名選挙は、史上最大の規模で行われながら、勝敗が決しなかった珍しい例といえます。

全国党大会はどのようなもの?

大統領候補指名争い
党大会では形式的な候補決定のみを行い、選挙のために党員の団結をうながすことを行うのが最近では普通。
アメリカの全国党大会は4年に1回、大統領候補指名のために、それを主な議題として行われます。逆にいうと、他のときに二大政党は全国党大会を開かないわけで、アメリカの二大政党がいかに分権的(中央よりも地方の活動がさかん)ということがわかります。

2008年選挙のための全国党大会ですが、共和党は9月1日~4日にミネソタ州ミネアポリスで、民主党は8月25日~28日にコロラド州デンバーで、それぞれ開催します。

ここに、全米の州とワシントン特別区から選出された代議員たちが集まり、党の大統領候補を指名する選挙を行います。

(現在はさらにサモア・グアム・プエルトリコ・ヴァージン諸島から、さらに民主党では海外在住の民主党員代表から、それぞれ代議員が送られています)

とはいえ、すでに代議員たちは特定の候補に投票することが決められていますから、過半数の代議員が配分され指名が確定的な候補がいる場合は、党大会はほぼ選挙戦に向けての決起集会的なものになってしまいます。

しかし代議員の過半数が配分されている候補がいない場合、ガチンコの選挙となります。そこで注目を浴びるのが特定の候補に投票する義務をもたない代議員たちです。民主党では特別代議員として796人、共和党では非誓約代議員として463人、フリーハンドを持つ代議員がいます。

そして代議員たちの過半数が支持する候補が決定するまで、投票は何回も繰り返されます。ただし、こうしたことは近年起こっていません。党大会のセレモニー的要素は一段と増してきていて、会場はお祭りのように盛り上がっています。

最後のページでは、大統領選挙の本選、その後の手続きについて次のページでみていくことにします。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます