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アメリカ大統領選挙、気になる疑問

アメリカ大統領選挙が白熱しています。ここで、アメリカ大統領選の報道などで出てくる用語や制度などについて、よくわからない方もいらっしゃると思うので、ちょっとまとめてみました。

執筆者:辻 雅之

(記事掲載日/2008.4.10)

「世界の最高権力者」ともいわれるアメリカ大統領、白熱した選挙戦が続いています。しかし日本とは違う独特な面もあり、よくわからないことも多いですね。アメリカ大統領選について、一問一答形式でお話ししていきます。

1ページ目 【無所属からでも立候補できるのか?】
2ページ目 【党員集会・スーパーチューズデーとは?】
3ページ目 【「本当の大統領選挙」は11月ではない?】


無所属でも大統領候補になれる?

アメリカ大統領選と無所属
無所属・第三政党からの大統領選出馬も可能だが、二大政党中心に運営されている大統領選に参加するには大きなハードルが立ちはだかっている。
なれますし、現に無所属候補は毎回何人か出馬しています。

無所属・あるいは二大政党以外の政党候補として立候補するためには、各州政府と首都ワシントン特別区政府によって大統領候補と認定されれなければなりません。

この認定方法は各州に委ねられていますが、ほとんどの州で、候補になろうとしている人を支持する一定数の有権者の署名を提出することで、候補として認定する方式がとられています。

アメリカ大統領選は州単位で投開票されますから、すべての州で認定される必要はありません。ただ当然ながら、認定されなかった州では候補として扱われないわけですから、票を得ることはできません。

このような形で大統領選に出馬した人は今まで何人かいます。1992年の大統領選では実業家として知られていたロス・ペロー氏が全米で候補者登録に成功、19%の得票を得るなどして「ペロー現象」を起こしました。

しかしアメリカの政治は共和・民主の二大政党が政治の中心であり、全てでもあります。選挙制度自体も二大政党の競争を前提としたものになっていて、それ以外の候補が当選するのはほぼ不可能な状態になっているといってもいいでしょう。

代議員とは?

カリフォルニア予備選
2008年二大政党のカリフォルニア予備選の結果。
二大政党の党大会で大統領候補指名選挙に参加するため、各州で選ばれる党員の代表です。全米では民主党4049人、共和党2380人で、州の人口に比例するかたちで代議員の数が州ごとに割り振られています。

代議員の決定方法は州によってさまざまです。かつては州の有力者などによって代議員が決められていましたが、1970年代になって各州で予備選による決定方式が続々と採用されていきました。

ただ予備選といっても、党員のみが投票できる州、非党員も投票できる州、非党員でも参加できるが二大政党のどちらか一方にしか投票できない州など方式は州によって異なります。

また、予備選の方式が州の法律によって決まっていて、公の選挙になっているのもアメリカならではといえるでしょう。

この選挙の結果によって、候補に代議員が「配分」されていきます。代議員に特定の候補への投票を義務づけるわけです。ですから代議員を最も多く獲得した候補が、通常であればそれぞれの党の候補になるわけです。

代議員選挙の方法としては、候補を支持する複数の代議員候補のリストに投票する方法(当然当選した代議員たちは全員その候補に党大会で投票する)、代議員を選びながら同時に大統領候補の投票も行い、大統領候補投票の結果によって代議員が党大会で誰に投票するかを拘束していく方法などがあります。

また、一部の代議員は予備選の結果に関わらず自由に投票することができます。民主党では特別代議員、共和党では非誓約代議員といいます。

候補への代議員の配分方式は、民主党では候補の得票に比例した方式、共和党では州での勝者がほぼ独占する方式がそれぞれ主流となっています。

それでは次のページでは大統領候補指名争いについてもう少しみていくことにします。
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