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裁判官訴追委員会というものがあるのをご存知ですか? 弾劾裁判所は知られているところですが……よくない裁判官を罷免するために必要なこの機関について今回はお話ししていきます。
裁判官訴追委員会とは
よくない裁判官の罷免を弾劾裁判所に請求するのが「裁判官訴追委員会。 |
・職務上の義務に著しく違反したり、職務をはなはだしく怠ったとき。
・職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失う非行があったとき。
裁判官を罷免、つまりクビにするために開かれる弾劾裁判は、当たり前ですが裁判形式なため、裁判所に訴えを起こし、裁判官に事実を伝える検察官のような役目の機関が必要となります。
それが、裁判官訴追委員会です。
裁判官訴追委員会は衆参の国会議員から各10名選ばれます。また、予備院として両院議員のなかから各5名選ばれます。
衆議院から選ばれる訴追委員は、衆議院総選挙後はじめて開かれる国会で選ばれます。一方、参議院の場合は任期を6年とし、任期が終わるか、訴追委員だった議員が落選したり議員を辞めたりしたつど、補欠選挙をすることになっています。
訴追委員会は、ある裁判官を罷免すべきという訴追の請求があった時や、それがなくても委員会のなかで罷免する理由があると考える時は、事実調査を行います。
そして訴追するかどうかを決めるのですが、訴追を決めるには出席委員の3分の2以上の多数で決めなければなりません。また、委員会の議事録は公開されません。
また、訴追する事実はあっても、裁判官が反省しているなど情状がある場合は、訴追猶予処分にすることもできます。
訴追の請求は誰でもできる
裁判官訴追までのながれ。 |
外国人であっても、審議の結果によっては請求を受け入れることがあります。
このとき提出する「訴追請求状」には、(1)罷免の訴追を求めること、(2) 裁判官の氏名及び所属裁判所、(3)訴追請求の事由及び(4)訴追請求人の表示が必要となっています。
詳しい記入例は、裁判官訴追請求状の記載例を示した裁判官訴追委員会のこちらのページをご覧ください。
また、最高裁判所にも、裁判官訴追委員会に対して訴追を求める権利があります。各高等裁判所長官、地方裁判所所長、家庭裁判所所長には、管轄の裁判所の裁判官について、罷免すべきであると考える場合には最高裁判所に報告しなければなりません。
罷免の訴追には、証拠があることは必要ありません。ただし当然、証拠があった方が訴追請求が受け入れられる可能性は高くなることはいうまでもありません。
訴追委員会の決定
裁判官訴追委員会の決定に不服があっても、これを訴える機関はありません。また三権分立の立場から、国会議員で構成された裁判官訴追委員会の決定について、普通の裁判所がその是非を扱うことはできないとされています。したがって、通常裁判所に決定の不服を申し出る訴えを起こすことはできません。
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※参考資料
裁判官訴追委員会