1ページ目 【政治資金の収支は報告されなければならない……が】
2ページ目 【政治家個人への巨額な献金は禁止されている……が】
3ページ目 【政党交付金制度でクリーンな政治資金となるはず……が】

寄付の分類と上限、団体献金の制限

寄付のしくみ
企業や団体は、特定の政治家に対する寄付、いわゆる献金をすることが禁止されている。
政治資金規正法では、政党や政治家、政治団体などへの寄付行為を、個人による寄付と、企業・団体による寄付とに分類しています。

個人は政党と政党の指定する政治資金団体に対して年間2千万円以内、政治家の資金管理団体やその他の政治団体に対して年間1千万円以内と決められています。

また、政党以外の団体については、1つの団体につき年間150万円を超える寄付をしてはならないことになっています。当然、1人の政治家に対しても同様です。実際には政治家の資金管理団体に寄付をするからです。

企業や団体は、その規模や資本金などに応じて年間750万円から最高でも1億円までを寄付できることになっています。しかし、これは政党と政党の政治資金団体だけで、それ以外の寄付は禁止されています。

こうすることで、大きな団体が特定の政治家に巨額の献金をし、そのことによって政治的に便宜を図ってもらうようなこと、わいろのような献金が出現することを防止しているわけです。

「迂回献金」とその防止

迂回献金
迂回献金のしくみ。政党から政治家への資金のやり取りが無制限である以上、このような形の「ヤミ献金」はなくならない?
ところが、政治資金規正法では政治団体の間での資金のやり取りに上限はありません。

これを利用して政治家個人に「迂回献金」を行うことができると批判されています。

迂回献金のしくみはこうです。まず、企業・団体が政党または政治資金団体に寄付をします。そのあと、政党や政治資金団体が、ある政治家の資金管理団体にそのお金をそのまま交付します。

こうすることにより、政治家個人への迂回献金ができるというわけです。

このことは、2004年に明らかになった「日歯連事件」のなかで、自民党が媒介になって特定の国会議員問題に迂回献金をしたのではないかと問題になりました(自民党はこの疑惑について、調査のうえ否定しました)。

このことがきっかけとなり2005年の改正で、企業・団体が政治資金団体に寄付をするときと、政治資金団体が資金管理団体を含む政治団体への資金交付を行う際には、銀行などの口座振込などを利用しなければならないようになりました。

しかし、迂回献金がこれで絶対なくなるかというと……? ですね。

党費・会費の扱いと、少額の寄付

党費や団体の会費は、寄付とはみなされません。収支報告書には、党費または会費として報告します。

団体会員という制度は禁止されていませんが、団体の会費や党費は、一般のものとは異なり、寄付として扱われます。

年間5万円以上の寄付は、収支報告書に記載され、公開されます。また、そうでなくても、匿名の寄付は禁止されています。

ただし、政党や政治資金団体が、街頭での運動や公開の演説会などにおいて、ひとり1000円以下の寄付を集める場合は、匿名でもかまいません。

政治資金パーティーとは

政党や政治団体、政治家などが政治資金を集めるために行うパーティーが政治資金パーティーです。食事や飲み物は申し訳程度だけど多額のパーティー券を売るものから、けっこうな食事、バンドまででてくる良心的(?)なものまで、さまざまなようですが……。

政治資金パーティーを行うときは、まずそういうパーティーであることを表明して、券を売らなければなりません。また、この収入は寄付とは別枠ですが、ひとりまたは1団体・企業から150万円以上受け取ることは許されていません。

そして、この収支は報告しなければなりません。また、20万円以上支払ったひとについても氏名などを報告する必要があります。

さらに、1回1000万円以上の収入が見込まれるものを「特定パーティー」と呼び、これを開催するときは、所管の都道府県の選挙管理委員会に届出をしなくてはなりません。

次ページからは、政党助成法と政治交付金についてみていくことにします。