文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
イタリアのラクイラ・サミット(主要国首脳会議)では、先進国会合G8よりも新興国を交えた会合に全世界が注目。近年のサミットではG8だけで国際問題を解決するのが難しくなってきています。主要国がG20に拡大するのも時間の問題かもしれません。ところで、G20ってどこの国・地域? あなたは、少なくともG8ぐらいは全部言えますよね……?!
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サミットが「G7」から「G8」に(1P目)
サミットはG8。でも存在し続けるG7とは?(1P目)
ラクイラ・サミットで存在感を示した新興国(2P目)
新興国の「主要国」入りも時間の問題?(2P目)
サミットが「G7」から「G8」に
サミットとは、主要国のトップが一堂に会して国際問題について話し合う会合 |
サミットとは「主要国首脳会議」のこと。「サミット(=summit)」は山頂、各国の首脳を山の頂上に例えています。G8、G7などの「G」はグループ(Group)のGです。
G7とは、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(第1回会合からの開催順)の7つの国。1991年より枠外で参加していたロシアが1997年には正式に8番目の参加国となり、1997年以後のサミットは「G8」と呼ばれています。
G8 フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア |
サミットは、毎年1回開催されます。各国から政府のトップが出席し、主に国際的な問題について討議します。
サミットはG8。でも存在し続けるG7とは?
しかし、ロシアがサミットに加わって以後、「G7」という会合がなくなってしまったわけではないのです。今でも、「G7」という会合が存在しています。現在「G7」といった場合は、「先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議」のこと。G7財務相会合とも呼ばれるサミットとは全く別の国際会議で、国際的な経済問題や金融問題について討議します。7つの国は、ロシア参加以前のサミット参加国と同じです。
こちらは、その名の通り各国の財務大臣と中央銀行総裁が出席。ロシアが参加していないのは、経済力不足のため。2009年は、2月にイタリア・ローマで開催されました。当時の中川財務相の「泥酔会見」が印象に残っているかもしれません。しかし、いま振り返ってみれば、各国の経済危機が最悪期を脱しているのは、この時のG7による効果とも。声明の1つ「財政政策の前倒し」が効いているといえます。
なお、サミット(G8)では8つの国は「主要国」。G7財務相会合では、7つの国は「先進国」と、区別して呼ばれています。
次のページでは、G8からG20などへと国際的会合において台頭する新興国勢力についてお伝えします。