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少子化問題を女性議員が語る!(後編)(2ページ目)

前回掲載時に大きな反響をいただいた、藤野議員・蓮舫議員による少子化問題座談会の記事後編です。今回はいろんな女性ガイドさんもお話し頂いて、さらに中身の濃い内容に。少子化問題、ほんとうに深い問題です。

執筆者:辻 雅之

日本の育児休暇制度、問題点はなにか

藤野さん
「古い体質は問題。党派を超えて変えていくべき」(藤野真紀子・衆院議員)
藤野さん:今制度の話になりましたけど、たとえば育休にしたってフランスでは3年間の育休という長さがあるんですよね。だから制度ということで、政権交代しちゃえばどうかいいのかどうかわかりませんが、女性のためというのであれば……(一同笑)。

古い体質というのは本当に問題ですから、自民党であれ民主党であれ、女性のためにそれがよければ、そういうのは超えた中でやるべきだと思います。(制度改正で)変わるのであれば変えるべき。

3年間の育休があれば、フランスでは少なくともポストを保障するんですね。退職じゃなくて。3年間育休、かつ給与の80%の保障金が出る。そして3年間(育児を)しっかりやって戻ると。それが制度なんですよ。

蓮舫さん:フランスとは単純に比較できないんですけど、フランスの3年間の育休、その間の代替要員の給料の補助を政府がものすごく厚くしている。そのかわりこれは税金。

日本の育児休業手当は何でまかなわれているかというと雇用保険です。だから(給料)の4割しか出ないんです。失業のために作られた雇用保険ですから。しかも雇用保険というのは特別会計。役所が抱えている目に見えないへそくりなんですよ。

実はこのへそくりには1年分の積立金が5000億円プールされている。こんなにプールされているんだったら雇用保険料安くすればいいじゃないか、あるいは育児休業中の手当を4割じゃなくて6割8割引き上げればいいじゃないか、というと反対するのは厚生労働省の役人。

急に景気が悪くなって、財源がなくなると(役人が)責任を取らされる。どういうことになるかというと天下りの先がなくなる。自分たちの天下り先の確保のために予算の使い方を変えないというのが役人の発想で、だからここに政治力を入れていきましょうと。

ガイド:雇用保険から出ているというのは確かに問題。使われ方が杜撰。

蓮舫さん:雇用保険の一番の問題はハコモノをたくさん作ってきたところ。雇用促進住宅って知ってますか?もともと炭坑労働者が多かった時代、単身であっちこっちの炭坑行って住む場所がないから設置した。それがこれは使えるということでどんどんバブリーな建物を建て始めて、しかも減価償却が、できるっていうんですけど、とてもできない。住んでいるのはハローワークの職員。入居者募集のポスターを出すのもハローワーク。

ガイド:政治に経営力を、ということは自民党・民主党とわずしっかりやっていただきたいと思います。

与野党の少子化支援策、提言は?

男性
働く男性の負荷も上昇するなか、少子化支援はいかにあるべきか。


志田さん(「よくわかる時事問題」ガイド):私は子どもがおりませんので、30歳で子どもを産んだ知人の話をしたいのですが……1年間の育休をとることができた方です。私が2人目は欲しいですかと聞くと欲しいとおっしゃる。ちょうど国の育児支援なども打ち出されていたころで。(なので)国に何をしてほしいですか?と聞いたらお金はいらない、夫を家庭に返してほしいと。……こういう現場の声に対してどうお考えですか?

藤野さん:今おっしゃった通り1年間の育休をお取りになった、ただお金よりもその男性をというのは、私は意識というなかなか変わりにくいところですけど、やはり日本の男性の意識というものと職場・企業全体の意識というものを変えるようななにかアプローチをしなければならない。

女性どうしのネットワークというものをもっと強くしていって、個々の声ではなく、女性のコミュニティーというものを作って、その中でなにかを変えていけないか。

あと1つ、企業に義務づけをしていくということで平成18年度、1200ある、大きいところなんですけど301人以上の事業所に子育て支援の義務づけ、ということで育休ということと、社内のなんらかの託児施設をつくるというような義務付けをしてそれをやっていくような企業に対して厚生労働大臣が認定マークのようなものを与えていく、というようなシステムをやっていこうとという動きはあるところです。

ですから私たちから見ていると遅いなということはありますけど、先ほどいいましたように私ですら子どもの時に父や母から受けた、男はこうだ、女はこうだというそういうものは根強く子どもの頃から叩き込まれたものということから引き出していくと同時に、行政の立場からも、そして女性自身からも、ネットワークを作っていく。みんなはそれぞれの立場で動いていくっていうことをしなければならない。

だから制度を変えていかなくてはいけないなと……反対のための反対、などということはしないで、与野党一致で、こういうことに対しては政策決定を早くする、というような努力をしていく、ということも大切だなと思います。だから国民不在の政策をしないような、姿勢を自分ではもっていきたい。

蓮舫さん:官僚が制度を変えられないといっても、政権交代が行われれば政治に緊張感が生まれ、官僚に緊張感を与えることができる。私たちは官僚を政治任用するとマニフェストで言っています。私たちの政策を真面目にやってくれる官僚だけを局長にしましょうと。政治主導で制度を変えていく。

政治家の意識なんですけど、……私は選択的夫婦別姓というのはあったほうが便利なんだと思うんですよね。仕事をやられている方には。われわれは議員立法で何度も提案してるんですけど、与党に否決されている。自民党さんの中にも賛成の方はいらっしゃるんですけど、なぜできないか。あるおじいちゃんの自民党議員さんは「そんなことをすると国が壊れる」と。われわれは意識改革できていて、議員立法出し続けていますから。

経済支援すればいいんじゃないかと言う政治の声も出てきますけど、確かに教育費だけで見ると大学までだいたい2千万円かかるという試算が。全国平均なので、東京とか横浜とかもっとかかるでしょう。

でもそれだけお金がなかったら産めないかと言うものじゃない。産んでからなんとかするものじゃないですか。旦那のこずかい削ったりとか、自分はぜいたくしても(笑)。本当に必要なお金の支援をしてきたか、というところを見直させて頂きたい。本当に使えるお金の支援の立案、これが政策だと思います。

男性正社員の負荷も大きくなっています。育児なんかできません、過労死直前の状況です。じゃあどうする、ワークシェアリングです。これは政策でできる。法人税関係を優遇税制すれば。十分可能です。

ガイド:政治に緊張を、と言うのはまさしくそうですね。郵政民営化も2004年の参院選で自民党が追い詰められたからできたというところがあるわけです。

次ページでは自治体格差から、児童虐待の話まで……
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