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日本政治の「亥年現象」ってなんだ?

来年2007年は亥年。ところで、日本政治には「亥年現象」とよばれるものがあるのを知っていますか? 来年の日本政治を占ううえで重要かもしれない「亥年現象」について解説します。

執筆者:辻 雅之

(2006.11.09)

来年は十二支最後の亥(いのしし)年。この亥年と政治になんか関係があるらしい……そんなことが今頃永田町ではささやかれていることでしょう。日本政治の謎「亥年現象」について解説します。

1ページ目 【「亥年」と参院選との奇妙な関係とは?】
2ページ目 【「亥年現象」のメカニズムとはどのようなものか?】
3ページ目 【2007年参院選の「亥年現象」はどのように現れる?】

【「亥年」と参院選との奇妙な関係とは?】

亥年の参院選では自民党は議席を減らす?

「亥年の参院選では自民党は不調である」というのが、「亥年現象」の教える経験則です。

なんだか占いみたいですが、実際、そうなのです。下のグラフを見てください。

自民党参院当選議席数
自民党の参院選獲得議席数の推移。赤字=赤帯の年が「亥年」。



自民党ができてからまだ50年ちょっとしかたっていないので、自民党が亥年の参院選を経験したのはまだ4回しかありませんが、そのうち3回の亥年で、自民党が議席を減らしているのがわかります。

59年は、「参議院の政党化が進んでいったなかでの選挙」と考えれば「亥年現象」の例外であるという説明がつきます。

当初、参議院は無所属や「緑風会」といわれる非政党集団が多くを占めていました。しかしその数は徐々に減り続け、政党に議席を奪われていきます。結局1965年、緑風会は解散しました。59年は、そんな時代の選挙でした。

あとは3回とも自民党が議席を減らしています。もちろんその年ごとに理由があるのですが、「これは『亥年現象』なのだ」という説明がまことしやかにされているのも事実です。

では、なぜ亥年なのでしょう。

亥年の参院選の投票率はいつも下がる!

ここでもう1つ、グラフを見てもらいたいと思います。亥年の参院選には自民党の議席減だけでなく、もう1つ顕著な傾向があるのですね。

参院選の投票率推移
参院選の投票率の推移。赤字=赤帯の年が亥年。



おわかりでしょうか。亥年の参院選は「必ず」投票率が低下しているのです。4回中4回、顕著に低下していますね。

いったいこれはなぜなのでしょう。そして自民党議席減との関係は?

★というわけで次のページでは「亥年現象」のメカニズムについて、お話していくことにしましょう。
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