金融危機深刻化後に、保護貿易が急増

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世界の各国が保護貿易寄りの政策になれば、輸入品を自由に選べなくなってしまう
2008年秋以降、金融危機が深刻化したため、世界貿易機関(WTO)が関税引き上げについて緊急調査を行いました。世界で16の国と地域で、合計19件の保護貿易措置を導入したことが明らかになっています。

臨時的にエクアドルでは940品目もの関税を引き上げたり、ウクライナでは13%という高い追加関税を適用すると伝わっています。また、日本のお得意様になりつつある、インドやロシアなど新興国でも、相次いで輸入関税を引き上げて輸入品の流入を制限する動きが広がっています。例えば、ロシアでは2009年1月から9カ月間、自動車の輸入関税を引き上げて国内自動車産業を保護しています。

これらの影響が、日本の自動車メーカーの海外販売台数を落ち込ませ、ひいては雇用問題にもつながっているともいえるのです。

必要以上の保護主義は、世界経済を鈍化させる

このように、世界的に自国の産業を守ろうと保護貿易が進行しています。WTOでは、2009年2月にも、新しく保護貿易の防止制度を創設することになっています。ある国での保護主義によって被害を受けた国が、実態調査や是正要求をしやすくするよう、現行制度を見直す制度になりそうです。

また、2月13日からローマで開かれる7カ国財務省・中央銀行総裁会議(G7)でも、保護貿易が話題に上るでしょう。

各国ともに景気対策は頭を悩ますところです。どの国も、自国が世界で一番最初に危機からの脱出をしたいと思っているのは同じです。しかし、自国を守るだけではグローバルな世界経済の停滞からは抜け出せません。

どこの国の政府や中央銀行にも、保護主義的政策がかえって世界経済の回復と発展を鈍化させることがないような、かじ取りをしてもらいたいものです。

【関連サイト】

『日本とメキシコが結ぶFTAとは』

『【国際】米韓FTA』(「よくわかる政治」ガイドサイト)

「世界貿易機関(WTO)」(外務省)

【関連リンク】

「海外経済・日本の貿易事情、国際競争力」
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