【CONTENTS】
一人っ子政策の概要(1P目)
一人っ子政策の成果(1P目)
一人っ子政策が生んだ問題(1)-男女比の偏り(2P目)
一人っ子政策が生んだ問題(2)-介護と過保護(2P目)
「2人目奨励」に走る上海市(3P目)
一人っ子政策の概要
中国の地図。広大な中国は人口も世界最大の13億人。 |
基本的な内容としては、1組の夫婦が生涯に産むことが許される子どもの数を1人に制限し、2人目が産まれると高額の罰金が課されたり、税金などの面で不利になったりします。ただし、両親がともに一人っ子だった場合や1人目が障害児だった場合などは、特例として2人目を罰則なしに産めるケースもあります。
一人っ子政策は1979年から実行されているので、今年で30年目になります。言い換えれば、現在中国で30歳以下の世代は、一人っ子政策の下で生まれ育ってきた世代になります。
一人っ子政策の成果
30年も続けられてきた一人っ子政策は、それなりの成果が出ていると見られています。中国の国家統計局の報告によると、一人っ子政策を30年間続けてきたため、中国の人口は4億人抑制されました。現在の中国の人口は13億人と言われているので、一人っ子政策がなければ、人口は17億人になっていたことになります。そして中国の人口が13億人に達した日と、世界人口が60億人に達した日を4年遅らせ、世界総人口に占める中国の人口の割合は、1980年の22.2%から2007年には20.1%に減少しました。世界人口全体の増加率も、1982年には18.4%だった数字が、2007年に10.3%に低下しています。
→次ページ。一方で、一人っ子政策はさまざまな問題も生んでいます。