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ICBM(大陸間弾道弾)による北朝鮮の狙い

北朝鮮がICBM(大陸間弾道弾)の発射準備を進めていると見られています。北朝鮮は一体何を狙っているのでしょうか?

執筆者:鳥羽 賢

5月末に北朝鮮が突然核実験を行い、その後6発の短距離ミサイルを発射しました。そして今度は、ICBM(大陸間弾道弾)の発射準備を進めていると見られています。北朝鮮は一体何を狙っているのでしょうか?

【CONTENTS】
核実験と短距離ミサイルの発射(1P目)
日本・中国も射程範囲のICBMの発射準備が……(1P目)
北朝鮮の狙いは……?(2P目)
日本や世界の対応は?(2P目)

核実験と短距離ミサイルの発射

北朝鮮の地図
5月25日の核実験は、北朝鮮北東部の豊渓里(プンゲリ)で行われた。
北朝鮮は、5月25日に2006年10月に続く2回目の核実験を行ったと見られています。そう考えられるのは、北朝鮮でM(マグニチュード)約4.5の人工地震が観測されたためです。観測されたのは、北朝鮮北東部にある豊渓里(プンゲリ)という場所で、この土地は核施設のある場所としても知られています。

今回の北朝鮮の軍事実験はそれに留まらず、次は短距離ミサイルを発射しました。25日に核実験と同時に3発のミサイルを発射、それらは日本海に着弾しました。その翌日26日には、東部の咸興市(ハムフンシ)という場所からミサイルをまた2発発射し、またも日本海に着弾しました。

さらに29日の午後6時頃には、舞水端里(ムスダンリ)から短距離ミサイルを1発発射し、これも日本海に着弾しました。これで5月25日から末までに発射した短距離ミサイルは、合計で6発にもなります。

日本・中国も射程範囲のICBMの発射準備が……

さらに日本や北朝鮮の他の周辺国だけではなく、アメリカにとっても脅威となっているのが、北朝鮮がこの後ICBMの発射準備を進めているという情報です。ICBMとは、射程距離が5500km以上のミサイルと定義されています。つまり、「射程距離がとても長いミサイル」と考えればわかりやすいでしょう。

ICBMは、もともと米ソ冷戦時代に盛んにアメリカとソ連によって開発された兵器で、アメリカとソ連がお互いの国を攻撃するために開発し、多く生産されていました。単なるミサイルですが、核弾頭を取り付けると核兵器を遥か遠くにまで飛ばせるという、恐ろしい可能性も秘めた兵器です。

北朝鮮がICBMを持つということは、核弾頭を取り付けるとかなり離れた場所まで核ミサイルを飛ばせることを意味します。つまり、日本や韓国、中国などもその射程距離に入ってしまいます。これは日本の安全にとって、とてつもない脅威です。

北朝鮮が開発しているICBMの射程が、どの程度かまだはっきりした情報はありません。少なくともアメリカ本土に届く可能性は低いと思われます。北朝鮮からアメリカの比較的近い地点までの距離を見ると、アラスカまでの距離は約6000km、ハワイまでは約7400km。これでも北朝鮮のICBMにとってはギリギリになると思われます。アメリカの他の州に届くようなミサイルではないでしょう。

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