【CONTENTS】
目的は省エネと温室効果ガスの削減(1P目)
日本やEUの燃費規制(1P目)
燃費性の高い日本車は有利になるのか?(2P目)
燃費規制で危機に陥るバイオエタノール(2P目)
目的は省エネと温室効果ガスの削減
温室効果ガスの削減が世界的な課題になっているが…… |
燃費規制自体は今回新しく設定されたものではありません。アメリカで2007年に成立した新エネルギー法では、2020年までに各自動車メーカーが製造する自動車の平均燃費を、当時よりも約40%高い1ガロンあたり35マイル(1リットルあたり約15キロ)にすることを規定していました。
今月になって発表された新しい燃費規制はそれをさらに強化したもので、2007年の予定をさらに4年早めて、2016年までに燃費目標を達成することを各メーカーに義務づけました。
実際には2012年から年5%ずつ燃費達成目標を引き上げていき、最終的には2016年に普通乗用車は1ガロンあたり39マイル(1リットルあたり約17キロ)、小型トラックは1ガロンあたり約30マイル(1リットルあたり約13キロ)が達成目標になります。これが達成できると、アメリカ全体でガソリンが約18億バレル節約でき、9億トンの温室効果ガス排出が削減されます。
日本やEUの燃費規制
日本は世界が地球温暖化について本格的に取り組むずっと前の1978年に、初めて燃費規制を導入しました。その後も何回か導入され、最も新しい2007年に施行された規制では、2015年までに1リットルあたり16.8キロという燃費目標を設定しています。これは2004年と比較して、23.5%もの燃費改善になります。EUの燃費規制は二酸化炭素の排出量を基準にしていて、2015年までに走行1キロあたりの二酸化炭素排出量を130グラム以内に抑えるのが目標になっています。これは日本やアメリカのような燃費基準に直すと、1リットルあたり約18キロの水準なので、やや厳しいがほぼ日本やアメリカと同じと考えられます。
→次ページ。これらの燃費規制によって、自動車業界はどう変わっていくのでしょうか?